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日本ショパン協会 第274回例会
土師 さおり ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.30》
2016年
7月22日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 才能あるピアニストに演奏機会を与える『パウゼシリーズ』。本シリーズに今回出演したのは日本の音楽大学を卒業後、ドイツに学び、現在福岡を拠点に活動する土師さおりさんです。ショパン、ヴィラ=ロボスとヒナステラでまとめたプログラムです。活躍した年代や出身国はそれぞれ異なりますが、土師さんが作曲家の共通項として挙げた“祖国を愛する心、踊りのリズム、民族主義”が感じとれる内容です。

 前半はショパン。《2つのノクターン作品27》、〈バラード第1番〉、《3つのワルツ作品64》と〈スケルツォ第4番〉です。強い情熱や内に秘めた感情、さまざまなショパンの音楽を端正に、そして常に音楽的な表現を忘れないよう努めていらっしゃいました。

 後半は2名の南米民族作曲家によるものです。ヴィラ=ロボスは代表曲《ブラジル風バッハ4番》。“ブラジル”や“バッハ”のキーワードにとどまらず、さまざまな音楽要素を楽しめる作品です。管弦楽版では響きに厚みが出ますが、シンプルなピアノ独奏だからこその良さがあります。雄大な自然、鳥の鳴き声やさわやかな風……、情景が思い浮かぶその演奏は、さっぱりとしながらも抒情性を感じさせるものでした。

 ヒナステラは《クレオール舞曲の組曲》と《ソナタ第1番》の2曲です。力強く、はっきり浮かび上がるヒナステラの感情表現。生き生きと引き締まったリズムはさわやかな躍動感を与え、ときに土臭く荒々しい演奏は、生命力に満ちたものでした。アンコールもヒナステラ生誕100周年にちなんで、《アルゼンチン舞曲集》より〈優雅な乙女の踊り〉が披露されました。

 土師さんは昨年ラヴェル、ドビュッシーとショパンを収めたCD『水の戯れ』を発表されています。過去に出場したイタリアのコンクール『イブラ・グランド・プライズ』では、最優秀賞、ラヴェル特別賞を同時受賞されており、ぜひ次回はフランスものも織り交ぜたプログラムも聴いてみたいと思いました。

(R.K.)

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