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宮下朋樹&礒 絵里子デュオリサイタル 開催レポート
〜 ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏シリーズ 最終回 〜
特別ゲスト 海野幹雄(チェロ)
2016年7月1日(金) 開場18:30 開演19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

 本日は、ピアニストの宮下朋樹さんとヴァイオリニストの磯絵里子さんによる、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏シリーズの最終回でした。クラシックの音楽作品の規模が従来のものから一段と大きくなるきっかけにもなった作曲家ベートーヴェンは、丹念に創り込んだソナタをたくさん残しており、いずれも全楽章通して演奏するだけでも非常な集中力と洞察力を要します。よってこのシリーズも、2011年からの5年以上に渡る企画となっており、それが本日で終わってしまうのは非常に寂しいものです。しかもベートーヴェンの最後のヴァイオリン・ソナタは有名な通称「クロイツェル」ということで、会場にはこのシリーズを応援する音楽ファンの方々が集まりました。

 宮下さんと磯さんの演奏からは、長年ベートーヴェンを研究されてきた熱意が伝わってきました。決して華美になりすぎず、しかしながら1つ1つのフレーズをどう演奏するかがよく考えられたお2人の演奏は、この作品にぴったりの響きを醸し出していました。

 プログラムの後半ではチェリストの海野幹雄さんをお迎えしての、ピアノ・トリオ第7番「大公」が演奏されました。海野さんが加わると、先ほどのピアノとヴァイオリンのみの編成にはなかったような、柔らかく奥ゆかしい響きが加わりました。チェロの深みのある音色によって、磯さんの鋭いヴァイオリンの響きが一段と引き立ち、さらに宮下さんの安定感のあるピアノの音が見事なアンサンブルを成していました。前半の「クロイツェル」全楽章、後半は「大公」全楽章と、非常にシンプルなプログラムでしたが、お客さんは各楽章とも集中して耳を傾け、終楽章が終わったときには大きな拍手を贈っていらっしぃました。

 演奏後には3人のトークも入りましたが、中心の話題は「ヴァイオリン・ソナタの次は、何を全曲演奏するの?」というものでした。日本のクラシック界をリードする奏者の皆様から、今度はどんな企画が立ち上がり、どのような音楽が紡ぎ出されるのか、楽しみな限りです。

(A.T.)

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