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堀内麻未 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.32 》
2016年
6月22日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 本日は、桐朋学園に在学中の若手ピアニスト、堀内麻未さんのピアノリサイタルでした。堀内さんは在学中とは言え、既にたくさんの演奏経験とコンクール歴を重ねており、さらなる飛躍が楽しみなピアニストです。本日は幼い時から演奏したいと思ってきた楽曲を準備されてきたということで、後半のリストを中心に名だたる難曲がプログラムに並んでいました。

 堀内さんの演奏は抜群の安定感が特徴でした。特に指裁きは凄まじく、非常に技巧的な箇所も難なくこなしてしまいます。本日もベートーヴェンのソナタ第28番を堅実に演奏された後に、プログラムに持ってきていらしたのは、ラヴェルの超難曲である組曲《夜のガスパール》を全曲演奏されました。第1曲〈オンディーヌ〉では、持ち前の技術で絶え間ない水の流れを、第2曲〈絞首台〉では研ぎ澄まされた音色で不気味な静寂を、最後の第3曲〈スカルボ〉ではスリリングな展開で悪戯な妖精の俊敏な動きを表し、会場からはその高い技術と表現に大きな拍手が挙がりました。

 後半はピアニストであれば誰しもが通るレパートリーである、リストの名作の演奏でした。リストが娘婿ワーグナーの壮大なオペラ《トリスタンとイゾルデ》の最終シーンをアレンジした、《イゾルデの愛の死》では、重厚なワーグナーの音響世界を表現する必要があります。堀内さんは立体的な音楽創りで、リストがピアノに反映させた音1つ1つを歌い上げていらっしゃいました。そしてプログラムの最後は、リストがピアノという楽器をフルに活用した、ロ短調の《ピアノ・ソナタ》。30分を越す大曲で、技巧面・表現面ともに山場が幾つもありますが、堀内さんの安定した音楽は最後まで決して乱れることはなく、会場のお客様も集中して音楽に耳を傾けていらっしゃいました。

 これだけの大曲を演奏された後にも、堀内さんはアンコールを続け、コンサートの最後はシューマンの歌曲をリストがアレンジした《献呈》でした。堀内さんの今後のご活躍が楽しみな、充実のコンサートでした。

(A.T.)

  

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