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中井恒仁&武田美和子 ピアノデュオシリーズ 開催レポート
ピアノデュオ世界旅行 Vol.9 〜イギリス〜
2016年5月21日(土)17:00開演 16:30開場
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 本日はピアノ・デュオで長らく活動されてきました、中井恒仁さん&武田美和子さんによるコンサートでした。このコンサートはお2人が長らくパウゼで続けてこられました「世界旅行シリーズ」の一環であり、本日がなんと9回目!!そして今日お2人が選んだ国はイギリスでした。なかなか音楽史の本には登場する機会の少ないイギリスですが、実は鍵盤楽器が生まれたばかりの頃に、その普及に大いに貢献した国であり、最古の連弾・デュオ曲も、実はイギリス生まれだと言われています。

 プログラムの前半は、バロック時代の名作曲家ヘンデルで幕開きました。ヘンデルの作品はオペラやオラトリオなど長い作品も多いので、作品全体が通して演奏されることは今ではなかなかありませんが、「見よ、勇者は帰る」(もともとはオラトリオ《ユダス・マカベウス》中の1曲)や「アラ・ホーンパイプ」(《水上の音楽》の1曲)のメロディーはおなじみです。お客さんも曲の出だしを聞いたとたん「あ、この曲聞いたことがある!」と嬉しそうに反応していらっしゃいました。前半のラストはヘンデルから一気に時間も場所を飛び越えまして、ヴァイオリン・ソナタで有名な19世紀フランスの作曲家フランクによるデュオ曲《God Save The Kingによる二重奏曲》。イギリスがテーマなのになぜフランク?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実はこの曲のもとになっているGod Save The Kingはイギリスで広く親しまれている賛歌なのです。フランクはこの賛歌をおよそ14分もの長大なデュオ曲にアレンジ。4つの手が織りなす華やかな音楽に、会場からは大きな拍手があがりました。

 後半のプログラム冒頭では、先にも述べた最古の連弾曲/最古の2台ピアノ曲がお2人の演奏で紹介されました。当時はまだ今のようなピアノはなく、ヴァージナルという小さなチェンバロがイギリスの主たる鍵盤楽器だったようです。短くも趣深い曲調に、これがもっと小さなチェンバロでの演奏だったら・・・とお客様も想像を膨らませたことだと思います。その後は一転して2台ピアノの迫力あるプログラムへ。まずはお2人によるホルスト作曲の組曲《惑星》から〈火星〉〈木星〉、オーケストラも顔負けの力強い響きに、お客様からも感嘆の声があがっていました。そして最後は中井さんが教鞭を取られる桐朋学園大学の期待の若手である、神谷悠生さんと塚原一慧さんをお迎えしての、エルガー《威風堂々》で、華やかにコンサートが締めくくられました。

 コンサート中はお2人の作品についてのトークも入り、終始なごやかな雰囲気でした。ピアノ・デュオのコンサートにまた足を運びたいと思える、大変楽しいコンサートでした。

(A. T.)

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