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東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.13>
王 昭然 ランチタイムコンサート 開催レポート
2016年9月28日(水) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
東京藝術大学ランチタイムコンサート2016 in 表参道〈大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.13〉がカワイ表参道コンサートサロンパウゼに於いて開催されました。若きピアニストたちによる数々の挑戦が繰り広げられたこのシリーズも、最終回を迎えました。今回の演奏されたのは中国出身で、4年前から来日し日本で研鑽を積んでいらっしゃる王昭然さんです。王さんは日本人の真面目さに惹かれ、自分の演奏を磨くために祖国を離れたと仰っていました。そんなお言葉のように、王さんの熱意が感じられる演奏会でした。
始めに演奏されたのはシューマン作曲「子供の情景作品15」です。短い小品集であっても、一つ一つの曲を大事に思い丁寧に描いていらっしゃいました。「暖炉のそばで」の温かく愛情に満ちた音や「怖がらせ」の聞き手も思わず驚かされてしまうような機転の利かせ方、「詩人は語る」の永遠の時間を感じさせるような広々と広がる世界など、各曲を楽しんで聴いているうちにあっという間に終曲を迎え、この時間が去ってしまうのが惜しいくらいでした。
続いてダイナミックな躍動感に満ちたショパン作曲「ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 第一楽章 作品35」、繊細さと鋭さのあるタッチが生む鮮やかな「練習曲作品25-11 木枯らし」を演奏されました。続いてリスト作曲「愛の夢 」を詩の朗読に続いて演奏され、儚くも温かい雰囲気で会場を包みました。最後は同じくリストの「ハンガリー狂詩曲第12番」では多彩な音とともに、ジプシーの民族色豊かでリズミカルな舞曲や撥弦楽器を思わせる生き生きとした表現で華やかに演奏会を終えられました。
王さんの威容溢れる演奏を楽しんだひと時でした。益々の研鑽と、ご活躍を願っております。
(M.H.)
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