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東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.11>
坂本 彩 ランチタイムコンサート 開催レポート
2016年9月1日(木) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 会場の期待を込めた拍手に迎えられて、にこやかに一礼された坂本さん。まず演奏されたのは、フォーレの《ノクターン第6番》。フォーレならではの柔らかなニュアンスを持った和声と揺れ動く調性が美しい曲です。坂本さんは一音一音を確かめるように丁寧にしっかりと奏でていました。この曲は、「夜想曲」の名が表すように、静けさが基調となっていますが、本日の演奏からはむしろ、その平穏と平穏の間に時折立ち現れる、感情的に波立ち激する場面が深く印象に残り、それが非常に効果的なように感じられました。

 フォーレの演奏後、坂本さんはマイクを取り、簡単な自己紹介と、次に演奏されるシューマンの《ダヴィッド同盟舞曲集》について紹介されました。曰く、18曲の小品のそれぞれにシューマンがこの曲を作曲した当時の、シューマンとクララの結婚前夜の情景が描かれており、この心象を描いて演奏したい、とのことでした。第1集9曲、第2集9曲の全18曲からなる《舞曲集》を、坂本さんはその言葉通り、一曲一曲のニュアンスを大切にしつつ、曲集としてのまとまりを持たせて演奏されていたように感じました。とりわけ印象に残ったのは、第1集第4曲、第6曲、第2集第1曲のような切迫感、焦燥感に駆られるような和音連打、あるいは細かなパッセージに満ちた曲です。坂本さんの力強い打鍵によって、会場の隅々までが、シューマンが一曲一曲に込めた情動に満たされていくようでした。また、これらの曲の後に続く緩やかで静かな曲が、その緊張感を解きほぐすような優しさに満ち満ちており、シューマンの楽曲構成の巧みさに改めて気付かされる演奏だったと言えるでしょう。

 最後に坂本さんはアンコールとしてラフマニノフの《音の絵》作品39-3を取り上げられました。ひりつくような熱情的なパッセージが連続する楽曲に、改めて坂本さんのタッチの魅力を感じました。今後のご活躍に大いに期待しましょう!

【A.Y】

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