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東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.6>
秋元 孝介 ランチタイムコンサート 開催レポート
2016年6月29日(水) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 「東京芸術大学大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル」の第6回は昨年度同大学器楽科ピアノ専攻を首席で卒業された秋元孝介さんによる演奏でした。

 ハイドン作曲《ピアノ・ソナタ ロ短調 Hob.XVI:32》からリサイタルは始まりました。すっきりと整った音を軸に、第2楽章の古典のメヌエットの奥ゆかしい雰囲気や、第3楽章の見事な指さばきのパッセージなどを堪能しました。まさに温故知新という言葉が合うような演奏で、古典派の音楽であっても、秋元さんの様々な表現によって新鮮さの感じられる音楽でした。

 続いてはベートーヴェン作曲《ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 Op.54》を演奏されました。秋元さんは名曲の21・23番に挟まれたマイナーな22番のソナタであっても、ベートーヴェンの遊び心やしかめ面でない魅力を感じて欲しいと仰っておりました。対照的な性格のパッセージを形式にとらわれることなく自由に移り変わる楽想を楽しんでいるような音でした。また、第2楽章の常に動いている音の中にも細やかなアクセントの表現や和音の色合いが感じられる演奏で、ベートーヴェンへの印象が変わりました。

 秋元さんの持ち味が最も発揮されたのはプロコフィエフ作曲《ピアノ・ソナタ第4番 ハ短調 Op.29》です。一筋縄では言い表すことのできないプロコフィエフの世界観の表現やダイナミックな音を十分に生かした演奏でした。秋元さんは後期のソナタほどの重量のある曲でないものの、一つ一つの音に内容が凝縮されていると仰っていましたが、ダイナミックな音の中にも細やかなに丁寧に表現された音もあり、一曲全体を通して非常に密度の濃い充実した演奏でした。

 アンコールにショパン作曲《子守歌Op.57》を演奏し、リサイタルを終えられました。

 今回のプログラムは、「現在の自分が弾きたいと思った曲」を集めたそうです。名曲に頼るのではなく、自身の表現したいものを追求する姿に飛躍するピアニストとしての可能性を感じたリサイタルでした。秋元さんの今後のさらなる研鑽とご活躍を願っております。

(H.M.)

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