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東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.4>
木邨 清華 ランチタイムコンサート 開催レポート
2016年6月9日(木) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル第4回目は、木邨清華さんがご出演されました。演奏はもちろん、統一感のあるプログラムからも、曲間でのお話からも、それぞれの曲に対する思い入れが伝わってきた素晴らしいコンサートでした。

 たくさんの聴衆が見守る中、クリーム色のドレスで登場された木邨さん。冒頭のシューベルト《ピアノ・ソナタ第13番 イ長調》D664,Op.120では、澄んだ音色が美しく、各楽章ともに旋律の息づかいや、和声の微細な変化も丁寧に表現された非常に豊かな演奏を展開されました。

 次は、シューベルトを尊敬していたプーランクの《3つのノヴェレッテ》より、晩年に作曲された〈第3番 ホ短調〉FP173です。親しみやすく洒落た曲想の中にも哀愁が漂う演奏で、多彩で立体感のある響きでこの作品の魅力を存分に表現されておりました。

 最後は、フランク《プレリュード、コラールとフーガ ロ短調》です。ドイツ・オーストリアの音楽の影響を色濃く受けたフランクも、シューベルトを好んでいたとのことです。木邨さんは、この曲について「苦難に立ち向かい救済される」という解釈を述べておられました。オルガンのような音色による奥深い演奏に思わず引き込まれました。

 盛大な拍手に応えられ、アンコールにプーランク《即興曲第12番 シューベルトへのオマージュ》を演奏してくださり、充実したひとときとなりました。今後の更なるご活躍を期待しております。

(K.S)

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