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古川貴子ピアノリサイタル 開催レポート
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.23》
2016年
3月18日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 『東京藝術大学同声会コンサートシリーズ』に、古川貴子さんが登場しました。現在ミュンスター音楽大学ドイツ国家演奏家資格課程に在籍し、ドイツ国内でもソロ、室内楽、またオーケストラとの共演など、数多くのコンサートに出演しています。

 まずはブラームス《シューマンの主題による変奏曲》。この作品はシューマンが亡くなる2年前、クララを慰めるために作曲されたものです。「次々と展開される変奏の中に映し出される、内面的な世界が感動的」と古川さんはプログラムノートに記しています。主題と16の変奏で成り立っているこの曲を、構成感をもって弾き進め、最後は消え入りそうなため息のように曲が閉じられました。

 続いて披露されたのは、リストのソナタロ短調。シューマンの《幻想曲》への返礼として書かれたものです。交錯する闇と光、情熱と理性を保ちながら描き分けます。なかでも弱音の表現は、とてもこまやかで多彩。静かなパッセージは、聴き手を引きこんでいく力があります。

 後半はシューベルトのソナタ第18番《幻想》。出だしの和音からあたたかな和音を聴かせます。素朴で美しい旋律の2楽章、最後は華やかなフィナーレです。彼が込めた詩情が伝わるような演奏でした。

 当初発表されていたプログラムから変更し、リストのソナタを演奏したことについて「リストはどうしても今弾きたいと思いました。“長い曲”の代名詞とも言えるシューベルトとリストの作品ですが、私はとても楽しみながら演奏できました」と笑顔で話されました。「アンコールはシューマン先生の1曲を……」と言い、〈トロイメライ〉を披露。演奏を終え、客席に向かって一礼、そしてピアノにも一礼された姿が印象的でした。

(R.K.)

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