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大橋春奈 & 草冬香 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
〜ヨーロッパからの風〜
2016年3月14日(月) 開場18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 3月14日パウゼにて、ピアニスト大橋春奈さんと草冬香さんのジョイントリサイタルが開催されました。東京藝術大学で学ばれたお二人は、大学時代の先輩と後輩でいらっしゃいます。同大学院修士課程を修了後、大橋さんはフランスにて、草さんはドイツにて研鑽を積まれました。プログラムは『ヨーロッパからの風』と題され、お二人が留学された国にちなんだ曲で構成されていました。この日は生憎の雨でしたが、非常にたくさんのお客様で客席が埋め尽くされました。

 前半に登場されたのは大橋さんです。フランスをテーマに、大橋さんの留学生活で思い出の深い曲も交えた非常に聴きごたえのあるプログラムでした。

 最初は、モーツァルトが母親とパリへ向かう途中で作曲した《ピアノソナタ第9番 ニ長調》K.311です。透き通った美しい音色で、各楽章の細やかな表情を捉えた快活な演奏でした。

 続いて演奏されたショパン《バラード第3番 変イ長調》Op.47では、気品と躍動感のある演奏で、華やかなパリの社交界の雰囲気を醸し出していました。

 その後に、フランスの作曲家の作品が2曲続きます。プーランク《インテルメッツォ第3番 変イ長調》では、プーランクならではの洗練された旋律や和声を美しく表現され、非常に洒落た演奏でした。フォーレ《舟歌 第6番 変ホ長調》Op.70では、水面に射す光やさざ波などが巧みに描写された幻想的な演奏にお客様も聴き入っておられました。

 最後は、シマノフスキ《変奏曲 変ロ短調》Op.3です。主題と各変奏の特徴を丁寧に表現されながらも、深い情熱を感じられる演奏は見事でした。

 後半は草さんの演奏で、ドイツをテーマとしたプログラムが披露されました。最初に演奏されたのは、バッハ《半音階的幻想曲とフーガ ニ短調》BWV903です。半音階幻想曲でのパッセージや分散和音、フーガでの各声部の動きなど、一音一音の表情を細やかに表現され、まるでチェンバロの演奏を聴いているようでした。

 続くブラームス《2つのラプソディ》Op.79より第2番では、非常に奥行きのある響きと伸びやかな息づかいでダイナミックな演奏を聴かせてくださいました。

 そして、多くの命が犠牲となった東日本大震災を想い、シューマン=リスト《献呈》と、シューベルト=リスト《アヴェ・マリア》が演奏されました。《献呈》では、命への感謝や愛がたくさん詰まった大きな花束を捧げているような演奏を展開され、《アヴェ・マリア》では、深い祈りによる温かな演奏が客席を包み込みました。

 最後のリスト《スペイン狂詩曲》R90 SW254では、民俗的要素とリストらしい華やかさが存分に表現された熱演を聴かせてくださいました。

 客席からの盛大な拍手に応え、アンコールはお二人の連弾でドビュッシー《小舟にて》とブラームス《ハンガリー舞曲第5番》を演奏してくださいました。フランスとドイツ、それぞれの音楽の魅力が楽しめた充実したリサイタルでした。

(K.S)

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