| |||||||
|
|
東日本大震災 被災地植樹支援
チャリティーコンサート at カワイ表参道 開催レポート
2016年3月11日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
本日は東日本大震災からちょうど5年ということで、現在4手ピアノの演奏で大変な人気を博していらっしゃいます川口兄弟による、チャリティーコンサートが開催されました。川口兄弟の発売中のCD等含め、本日のチャリティーコンサートの収益の一部が、被災地の植樹に充てられるということです。コンサートにはその趣旨に賛同する多くの方が集まり、開演の際には黙祷が捧げられました。コンサートの前半は各々のソロの演奏です。兄の晃祐さんは、メンデルスゾーンの《プレリュードとフーガ》第3番とショパンの《幻想曲》を演奏されました。とても音の立ち上がりが明瞭な晃祐さん、とりわけメンデルスゾーンの立体的な音楽創りは見事でした。弟の智輝さんはリストの《演奏会用大独奏曲》を演奏。リストのヴィルトゥオーゾ(ピアノの名手)としての面と哲学的な音楽家としての面の両方をうかがわせる難曲を、深みのある音色でまとめていらっしゃいました。
後半はお待ちかねの、川口兄弟お2人の演奏技術を活かした4手のプログラム。とりわけお客さんを盛り上げたのはお2人自身がアレンジした、超絶技巧の名曲連弾シリーズでした。お2人が今日のために用意されたのは、ベートーヴェンの《エリーゼのために》、モンティの《チャルダッシュ》、そしてモーツァルトの《トルコ行進曲》。お2人の手にかかると《エリーゼのために》もアップテンポでリズミカルな1曲に、《トルコ行進曲》に至っては古典の名作がグリッサンドや超速スケールに彩られた華々しいものへと大変身しました。2台ピアノではなかなかコンサートサロンでプログラムに選ばれることのないピアノ協奏曲やバレエ音楽などを楽しむことが出来ました。特にファリャの〈火祭りの踊り〉(《恋は魔術師》より)は、コントラストの効いたドラマティックな演奏に、会場から大きな拍手が送られました。
アンコールはお2人の息の合った連弾によるハチャトリアン作曲〈剣の舞〉(《ガイーヌ》より)で、最後の最後まで会場は楽しい雰囲気に包まれていました。本日のコンサートがご来場された方々にとって、明日への元気に繋がるものであったことと思います。
(A. T.)
|