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篠永 紗也子 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.33 》
2016年
2月24日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 東京音楽大学在学中の若いピアニストが出演するコンサートシリーズに、現在4年に在学中の篠永紗也子さんが登場しました。オーケストラとの共演や、コンクールでの入賞経験も豊富ですが、なかでも昨年の『ピティナ・ピアノコンペティション特級』においてグランプリを受賞されたのは、記憶に新しいのではないでしょうか。

 この日の前半はショパン、後半はスクリャービンとシューマン、3名の作曲家を取り上げるプログラムです。

 1曲目に演奏されたのは、マズルカ第36番。嘆きのような旋律で始まり、繰り返される転調のなかで、揺らぐ感情を自然に表現していきます。作曲時期は晩年ということもあり、悟りの心情をなぞるかのような演奏でした。

 続いて演奏された〈幻想ポロネーズ〉も、ショパン晩年の作品です。序奏の重みのある和音に続くたおやかなアルペジオにはじまり、力強さの表現を乗り越えたところでのじんわりとあたたかな音が会場にしみわたります。

 前半の最後はソナタ第2番《葬送》。4つの楽章に個々の個性がある音楽です。深みのある低音のオクターヴでは重厚な豊かさを感じさせ、2楽章の中間部ではあたたかな響きを、そしてトッカータ風の終楽章では勢いを見せました。

 後半最初はスクリャービンの《24の前奏曲》より3曲です。ショパンの作風にならって作曲されたこの作品の中から、第11番、第12番を甘美で夢想的に、そして第14番は感情が渦巻きほの暗い雰囲気で披露しました。

 最後はシューマンの《謝肉祭》。連続して演奏される20の曲で構成されていますが、ロマンチックに、ユーモラスに、心躍るような楽しさなどを場面ごとに描き分け、フィナーレは一段と華やかに締めくくられました。

 春から東京音楽大学の大学院へ進学するという篠永さん。「皆さんの記憶の片隅に残れるような演奏ができていたらうれしいです。ピアノが大好きなので、その気持ちを大切にこれからもがんばっていきます」というひと言に、会場からはあたたかな拍手がおくられました。アンコールはシマノフスキの《9つの前奏曲》より第7番でした。

(R.K.)

 

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