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佐渡 建洋&仁田原 祐 ピアノジョイントリサイタル開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.36 》
2016年1月15日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 本日は表参道フレッシュコンサートの一環として、若手ピアニストの佐渡建洋さんと仁田原祐さんによる、ジョイントリサイタルが開催されました。東京藝術大学での同門だというお2人は、コンサート終盤のトークでも笑顔を交わす瞬間があり、同じ学びの場で互いにしのぎを削ってきたことが窺えました。本日は敢えてピアニストを志す方なら必ず通るベートーヴェンとショパンにプログラムを絞ったとのことですが、前半のベートーヴェン・後半のショパンともにかなりの技術と集中力を要するプログラムとなっていました。

 コンサートは同じ作曲家の作品をお2人が交替で演奏する形で進みましたが、お2人の演奏の魅力は全く違うものでした。佐渡さんの演奏は、男性ピアニストらしい力強さや勢いを感じるものであったのに対し、仁田原さんの演奏は、繊細ながらも楽曲を華やかに彩る表現力を感じるものでありました。前半のベートーヴェンでは、佐渡さんがピアノ・ソナタの第12番を、仁田原さんが同じくピアノ・ソナタの第21番(通称「ワルトシュタイン」)を選んでいらっしゃいました。佐渡さんの第12番の演奏は音楽のパーツ1つ1つに重みを感じる安定したもので、特に迫力と情熱に溢れた第3楽章が印象的でした。仁田原さんの「ワルトシュタイン」は、力強い中にも哀愁を感じるこの作品の魅力を存分に引き出しており、音と音の間の取り方も絶妙でした。

 後半のショパンのプログラムは仁田原さんの演奏が先となり、ワルツの第5番で幕が開きました。このワルツの第5番は決して長くはない1曲の中に、様々な音楽の要素が詰められている楽曲ですが、仁田原さんは持ち前の彩のある音色で、表現豊かに楽曲をまとめていらっしゃいました。続くバラードの第4番はショパンの作品の中でも大曲ですが、仁田原さんの演奏は後半にゆくほどに盛り上がり、特に技術的な難所の多い終盤を鮮やかに仕上げていらっしゃいました。佐渡さんのショパンの演奏は、2つのノクターンから始まりました。ショパンの作品の中でもメランコリックな面が露わな楽曲ですが、佐渡さんの演奏には哀愁の中にも芯の強さがありました。演奏会全体の最後のプログラムともなった幻想曲ヘ短調は、細やかな旋律が漂う中にも雄々しい場面が挿入されている作品で、佐渡さんの力強い音楽創りが光っていました。

 最後はお2人揃っての「ブラームスのワルツ」(連弾版)でのアンコール。たくさんのお客様からの拍手で幕を下ろした、大変素敵なコンサートでした。

(A. T.)

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