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福井敬介 ピアノリサイタル 開催レポート
《表参道ランチタイムコンサートシリーズVol.3》〜武蔵野音楽大学〜
2015年12月22日(火) 12:00開演 11:30開場
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
《表参道ランチタイムコンサートシリーズVol.3》〜武蔵野音楽大学〜は、同大大学院修士課程ヴィルトゥオーソコース2年次在学中の福井敬介さんのリサイタルです。福井さんはまずスクリャービンの小品を11曲演奏。ショパンの影響が色濃く出ているよく知られた最初期の作品から、初期から中期に移行する作品、そして後期の作品を、作曲年代順ではなく、取り混ぜて一気に演奏しました。それは、3つの小品Op.2-1「練習曲」嬰ハ短調、同Op.2-2「前奏曲」ロ長調、4つの小品Op.51-3「翼のある詩曲」ロ長調、24の前奏曲Op.11-11ロ長調、2つの詩曲Op.32-1嬰ヘ長調、同Op.32-2ニ長調、8つの練習曲Op.42-3嬰ヘ長調、5つの前奏曲Op.16-4変ホ短調、4つの前奏曲Op.33-3ハ長調、24の前奏曲Op.11-20ハ短調、幻想曲Op.28ロ短調という内容でした。
ショパン風で始まり、そこから脱却して独自の技法を用いた曲、きれいな響きの曲、激しい曲調、壮大な曲と、それぞれの曲の特徴を存分に表現した演奏から、スクリャービンへの特別な思いが溢れているように感じられました。
続いて演奏したリスト編曲によるワーグナーの歌劇「タンホイザー」より『巡礼の合唱』では、弱音で響きのある音からオーケストラのような幅広い厚い音までをピアノから引き出して、オーケストラ演奏を思い起こさせる雄大なものでした。
最後のリスト作曲“「死の舞踏」〜『怒りの日』によるパラフレーズ”では、「怒りの日」のテーマが形を変えて何度も登場し、その不気味さが随所に感じられ、また迫力をもって聴き手に迫ってくるようにも感じられた、非常に面白い演奏でした。
ランチタイムコンサートにもかかわらず詰めかけた大勢の聴衆の大きな温かい拍手に応えてのアンコールは、3曲ともやはりスクリャービンで、24の前奏曲Op.11から、No.5 ニ長調とNo.17変イ長調、そして3つの小品Op.45-1「アルバムの綴り」が演奏されました。
機会があれば小品ばかりでなく、スクリャービンのソナタなども聴いてみたいと思わせてくれるコンサートでした。
(K.Y.)
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