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〜2015年 第15回チャイコフスキー国際コンクール出場〜
日高志野 ピアノリサイタル開催レポート
2015年12月22日(火) 19:00開演 18:30開場場
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 
 

  表参道の通りにクリスマスのイルミネーションが輝く12月22日。パウゼでは今年最後の公演として、ピアニスト日高志野さんのリサイタルが開催されまし た。東京藝術大学及び同大学院を修了され、現在モスクワ音楽院大学院に在学中の日高さんは、ギレリス国際コンクール優勝をはじめとする著名なコンクールで の受賞歴を多数お持ちで、演奏活動も活発に行われるなど精力的にご活躍されています。また、今年夏に開催された第15回チャイコフスキー国際コンクール に、厳しい予備予選を見事通過され日本人でただ一人出場されたことは記憶に新しいところです。
 
 本日のプログラムは、チャイコフスキーとラフマニノフの作品で構成され、前半は日高さんのソロ、後半は日高さんの師匠ヴァチェスラフ・グリャズノフ先生 を迎えてのデュオという豪華な内容でした。
 
 最初は、チャイコフスキー(プレトニョフ編曲)バレエ《くるみ割り人形》より〈マーチ〉と〈金平糖のおどり〉です。音色や間の取り方など非常に細かく表 現され、オーケストラによる原曲の特徴をピアノでそのまま再現されたような演奏でした。続くチャイコフスキーの晩年の作品《18の小品》Op.72より第 5番〈瞑想曲〉では、繊細な音色や弦楽合奏のような伸びやかな息づかいが大変美しく、客席の皆様もうっとりと聴き入っておられました。前半最後は、ラフマ ニノフ《楽興の時》Op.16です。全体の構成と一つ一つの音の意味や役割が考え抜かれた知的なアプローチが光る演奏でした。また、旋律の歌のように自然 な流れと変化に富んだ多彩な音色が素晴らしく、この作品の魅力を存分に味わえたように思います。
 
 後半は、グリャズノフ先生とラフマニノフ《2台ピアノのための組曲 第1番》Op.5を共演されました。若きラフマニノフがチャイコフスキーへ献呈した作品です。『幻想的絵画』のタイトルでも親しまれ、〈舟歌〉、〈夜、そ して愛〉、〈涙〉、〈復活祭〉の4曲から構成されています。プログラムノートには各曲のもととなった詩が載せられており、作品の世界に一層浸ることができ ました。お二人のぴったりと息の合った演奏は、各曲の情景が鮮明に描写され非常に聴き応えがありました。
 
 客席からの鳴り止まない拍手に応えられ、アンコールは嬉しいことに4曲も!日高さんのソロでプロコフィエフ《トッカータ》Op.11、グリャズノフ先生 のソロでドビュッシー(グリャズノフ編曲)《牧神の午後への前奏曲》、ラフマニノフ 練習曲《音の絵》Op.39-5、お二人のデュオでリムスキー=コルサコフ《フェヴローニャの歌》を披露してくださり、最後まで大変充実したリサイタルと なりました。
(K.S)

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