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山西 遼 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.30 》
2015年
11月18日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 街の木々が美しく紅色に染まる11月半ば、山西遼さんのピアノ・リサイタルが開催されました。ブラームスと関係のあった作曲家の作品を中心としたプログラム構成で、山西さんは「ハ長調のロベルト・シューマンの作品で始まり、ハ長調のブラームスの作品で終わることによって、プログラムに輪廻のイメージを持たせた」そうです。会場からは終始温かい拍手が送られていました。

 1曲目は、ロベルト・シューマンの《アラベスク》。気負いのない自然な音の流れが心地よく響きました。2曲目はロベルトの妻クララ・シューマンの作品で《スケルツォ第2番》。ハ短調の分散和音で開始される冒頭部分から情熱的な演奏が展開されました。その後のR. シューマン=リスト《献呈》や、ショパン《ノクターン第13番》、C-V. アルカン《全ての短調による12の練習曲》より〈第12曲 イソップの饗宴〉でも、その超絶技巧が存分に披露されました。

 また、後半1曲目に演奏された大田桜子の《蓮華三章 ピアノソロのために》も大変印象的でした。プログラムノートによると、この曲は仏教を象徴する花である「蓮」をイメージして書かれた3楽章構成の作品で、それぞれ「光や風の揺らぎの中に輝く蓮の花」( I ) 、「古城の池に浮かぶ蓮」( II )、「蓮のつぼみをかたどった美しい仏塔」が並ぶ「かつて栄えた大国の遺跡」( III ) が描かれています。全体を通して幻想的な雰囲気を見事に表現した好演でした。そして本編の最後は、山西さん自身がこの演奏会のメインと記したブラームスの《ピアノソナタ第1番》。ブラームスらしい骨太の響きで、会場を魅了していきました。

 最後のアンコールでは、ショパンの《マズルカ第15番》のほか、《ラデツキー行進曲》の主題による即興演奏なども披露され、山西さんの幅広いジャンルへの適応力の高さを垣間見ることができました。とりわけ最後のアンコール曲は美しく、小雨の降る表参道の夕べにしっとりと聴かせる粋な演奏でした。今後ますますのご活躍に期待しています。     

(Y. T.)

 
 大田桜子先生と終演後のロビーにて

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