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山口裕子&實川風 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.34 》
2015年11月6日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 毎回好評を博している東京藝術大学 表参道フレッシュコンサートシリーズ。第34回目となる本日は、同大学院修士課程を修了された山口裕子さんと實川風さんのジョイントリサイタルが開催されました。会場には非常にたくさんのお客様が集まり、お二人への期待の高さが伺われました。

 前半に登場されたのは山口さん。いずれのプログラムも、多彩で変化に富んだ音色が印象的でした。はじめに、レーガー《暖炉のそばの夢》Op.143より第1番、第2番、第4番、第5番、第10番を披露されました。一つ一つの音を大切に表現され、深みのある演奏は大変美しかったです。続いて演奏されたのは、リスト《巡礼の年 第2年 イタリア》より〈ペトラルカのソネット第104番〉です。この曲は、恋の喜びと苦しみを表したペトラルカの詩をもとに作曲されていますが、声楽家が歌うように伸びやかな演奏で詩の内容を鮮やかに表現されており、迫り来るものがありました。最後は、J.S.バッハ=ブゾーニ《シャコンヌ》です。原曲のヴァイオリン独奏の息づかいを巧みに再現されながらもピアノの持ち味が活かされた演奏は大変素晴らしかったです。

 後半は、實川さんの演奏です。實川さんが先月パリにて開催されたロン=ティボー=クレスパン国際音楽コンクール2015で、第1位無しの第3位に見事入賞された事は、記憶に新しいところです。最初に演奏されたJ.S.バッハ《イタリア風アリアと変奏 イ短調》BWV989では、装飾や旋律と和声の僅かな表情の変化を細やかに表現され、この曲の美しさが一層引き立てられていました。続いて、シューマンの《アラベスク ハ長調》Op.18と《ピアノソナタ第1番 嬰ヘ短調》Op.11を演奏されました。《アラベスク》では、それぞれの音が織り交ざりアラベスク模様を描いているような、繊細で美しい演奏を聴かせてくださいました。《ピアノソナタ第1番》では、若きシューマンの心の葛藤を描くように目まぐるしく展開される曲ですが、音楽の方向性が明確でストーリー性のある演奏は聴きごたえがありました。

 最後に、熱演を繰り広げられたお二人へ客席から割れんばかりの拍手が贈られ、充実したリサイタルとなりました。お二人のさらなるご活躍を期待しております。

(K.S)

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