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大月美穂&渡邊礼華ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.31 》
2015年
10月7日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 毎回好評を博している東京音楽大学表参道サロンコンサートシリーズ。31回目を迎える本日は、ピアノ演奏家コース3年に在学中の大月美穂さんと同コース2年に在学中の渡邊礼華さんによるジョイントリサイタルが開催されました。会場にはご学友の方々をはじめ多くのお客様が集まり、お二人への期待の高さが伺われました。

 前半に登場されたのは大月さんです。最初に演奏されたシューベルト《即興曲変ロ長調》Op.142-3では、柔らかい音色で各変奏を伸びやかな息づかいで表現されておりました。続いて演奏されたのはラヴェル《鏡》より第3曲〈洋上の小舟〉です。水の動きが巧みに描写された透明感のある表現は見事でした。ショパン《ノクターン ロ長調》Op.62-1では、この曲のメロディと和声が持つ繊細な表情が活かされた美しい演奏でした。プログラム最後は、ベッリーニ=リスト《ノルマの回想》S.394/R133です。原曲のオペラの場面を彷彿とさせるようなドラマティックで力強い演奏を披露されました。演奏してくださったどの曲においても、音色の使い方が素晴らしく、非常に表現豊かで奥行きのある演奏が大変印象的でした。

 後半は渡邊さんの演奏です。最初に披露されたのは、J.S.バッハ《半音階的幻想曲とフーガ ニ短調》BWV903です。半音階的幻想曲では、勢いと即興的な自由さが感じられ、フーガでは、各声部が対話をするように音楽が展開されました。続くショパン《マズルカ》Op.30(全曲)では、マズルカ特有のリズムと躍動感を活かしつつメランコリックな表情が絶妙に表現されておりました。最後に演奏されたラヴェル《夜のガスパール》では、各曲共にモデルとなった詩の世界観が鮮やかに表現されており、中でも〈絞首台〉の不気味な静寂が描写されていた演奏はとりわけ印象的でした。それぞれの作曲家の特徴をしっかりと表現された渡邊さんですが、最後のご挨拶で今回の演目について「苦手を克服しようと選んだプログラム」と仰っていたことには、非常に驚かされました。

 アンコールはお二人の連弾で、チャイコフスキー 組曲《くるみ割り人形》より〈序曲〉、〈行進曲〉、〈トレパーク〉を演奏してくださり、素敵なリサイタルとなりました。お二人のさらなるご活躍を期待しております。

(K.S)

 

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