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ニュー・アーティスト シリーズ2015 in表参道
丸山 凪乃 & 重野 文歌 イブニングコンサート 開催レポート
2015年9月16日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 新進気鋭の若手ピアニストが9日間にわたって競演を繰り広げる、ニュー・アーティスト シリーズ2015 in表参道。今夜も二名のフレッシュなアーティストをお迎えし、聴きごたえ満点のコンサートが開催されました。

 本日一人目の演奏者は、東京音楽大学附属高等学校特別特待奨学生の丸山凪乃さん。弱冠15歳にして既に多数のコンクールでの優勝・入賞歴を持つ期待の星です。本日は10月のショパン国際ピアノ・コンクールを目前に、ボリューム感のあるオール・ショパン・プログラムが披露されました。最初の《バラード第1番 ト短調 作品23》から安定感のあるこなれた演奏を聴かせ、《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22》では一層のびやかな表現力で聴き手を音楽に引き込みます。続く《バラード第4番 ヘ短調 作品52》でもメリハリのある造形とまっすぐ筋の通った音楽性が顕著で、丸山さんが若いながらも既にピアニストとしての独自のスタイルを確立されていることが伝わってきました。圧巻は最後の《ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58》。とりわけ、ヴィルトゥオジティの見せ場ともいうべき終楽章は鳥肌が立つほどの熱演でした。アンコールには丸山さんの華やかなピアニズムにぴったりの《華麗なる円舞曲 変イ長調 作品34-1》が演奏され、客席からは惜しみない拍手が送られました。

 二人目の演奏者は、イギリスとドイツで研鑽をつまれ、国際的な演奏活動を展開されている重野文歌さんです。一曲目のハイドンの《ピアノソナタ第60番Hob.XVI:50ハ長調》では、作品のあらゆる細部に生命を吹き込むその音の表情の豊かさに、まずは驚かされました。アルベニス《イベリア》からの抜粋(〈ロンデーナ〉、〈トリアーナ〉、〈セビリアの聖体祭〉)では、多彩なタッチを縦横無尽に駆使し、イマジネーション豊かで印象深い音の世界が展開されます。ヒンデミットの《ピアノソナタ第3番 変ロ調》もまた、才気のみなぎる説得力ある演奏で、アーティストとしての重野さんの主張がそこかしこにしっかりと刻印されているようでした。アンコール曲は最初に演奏されたハイドンのソナタから第3楽章。全曲を通じて幅広い表現力と圧倒的な集中力をみせていた重野さんの演奏は、ぜひまた聴いてみたいと思わせる魅力を持っていました。

 それぞれに個性豊かで素晴らしい演奏を聴かせてくださった丸山さんと重野さん。才能あふれるアーティストたちのこれからの活躍が本当に楽しみです。

(N.J.)

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