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ニュー・アーティスト シリーズ2015 in表参道
奥谷 翔 & 中川 真耶加 イブニングコンサート 開催レポート
2015年9月11日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
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この秋の国際コンクールに挑戦する若いピアニストたちが出演する「ニュー・アーティスト シリーズ 2015 in 表参道」の4日目のイブニング・コンサートは、前半に奥谷 翔さん、後半は中川真耶加さんの登場です。お二人とも愛知県出身という同郷のピアニストです。まず奥谷 翔さん。1曲目は、モーツァルトのソナタ第8番 ニ長調K.311。速いパッセージでも音の粒はよく揃っていて、細かい音もクリアに聞こえてきました。
2曲目はショパンの「幻想ポロネーズ」変イ長調Op.61。「英雄」「軍隊」と並んでショパンのポロネーズを代表する名曲の一つですが、ポロネーズのリズムと雰囲気をよくつかんで、聴衆を惹きつけていました。
3曲目はスクリャービンのソナタ第3番 嬰ヘ短調Op.23です。きちんとした構成のソナタ形式で書かれた第1楽章から端正に演奏し、「星たちが歌う」と作曲者が言ったという第3楽章ではメロディーを美しく歌い上げるなど、全曲を緊張感と安らぎをもってまとめました。
最後はドビュッシーの「喜びの島」。ジャン・ヴァトーの有名な絵画「シテール島への巡礼」に題材をとったと言われているこの名曲は、ヴィルトゥオーゾ的な技巧の必要な曲ですが、最後の音まで色彩豊かに弾き切りました。
後半は白いドレスで登場した中川真那加さん。プログラムはオール・ショパンで、ノクターン第8番 変ニ長調Op.27-2、スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31、前奏曲第25番 嬰ハ短調Op.45、即興曲第3番 変ト長調Op.51、そして最後がピアノ・ソナタ第3番 ロ短調Op.58という構成でした。
1曲目のノクターンでは、ロマンティックな雰囲気がよく出ていました。
続いてのスケルツォ第2番は、4曲のスケルツォの中で最も人気のある曲ですが、出だしから力強く演奏し、華やかに終わりました。
3曲目は、単独に書かれた2曲の前奏曲の一つで、ノクターン風の美しい曲ですが、その美しさを静かに表現していました。
4曲目の即興曲は、ショパンの作品中ではあまり一般的な人気はないようですが、とても魅力的な曲で、中川さんの絶妙な間の取り方やテンポ・ルバートでその魅力に惹きつけられました。
最後のソナタ第3番は、この日の曲の中で最もよく弾き込んでいるように感じられ、自信を持っているようでした。細かい速いパッセージでもよく指は回り、ゆったりとした所ではしっとり弾き、この曲の魅力をよく伝えてくれました。
最後に奥谷さんも登場して挨拶し、アンコールにチャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」から『金平糖の踊り』と『トレパーク』を連弾(プリモ・中川さん、セコンド・奥谷さん)で演奏してこの日のコンサートは終了しました。
(K.Y.)
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