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ニュー・アーティスト シリーズ2015 in表参道
古海行子&佐藤元洋 イブニングコンサート 開催レポート
2015年9月10日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 「ニュー・アーティストシリーズ2015 in 表参道」第3日のイブニング・コンサートは、嬉しい驚きが待っていました。古海行子さんと佐藤元洋さんの、高度で上質なピアノ演奏。今まさに国際舞台へ挑戦していこうとされている、気鋭のアーティストの演奏を身近で聴けたことに、幸運を感じました。

 前半は、古海行子さんによるオール・ショパン・プログラム。現在、昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミーに在籍中ということです。

 どこかノスタルジックな音色が心地よい、「幻想曲・へ短調Op.49」は、重々しくならない軽やかな進行が爽快でした。

 続いて「4つのマズルカOp.24」。マズルカならではの独特のリズム感、テンポ感、自由で自然なルバートが素晴らしかったです。マズルカをここまで聴かせる演奏は、なかなか出会えないと思います。

 「舟歌・嬰ヘ長調Op.60」では、快適な船旅を味わいました。柔らかな風が頬をなで、水面がキラキラと輝いているような……。熟練した、磨きのかかった演奏でした。

 そして最後の曲、「ソナタ第3番・ロ短調Op.58」。切れのよい展開が清新な第1楽章、素速く軽やかなパッセージで魅了した第2楽章、堂々と歌い上げた第3楽章、高度なテクニックで最高潮の盛り上がりをみせた第4楽章。冴え渡ったシャープな演奏は、本当に素晴らしかったです。

 アンコールの「黒鍵のエチュード」の軽快で輝かしい音色、俊敏なテンポ。ただただ驚きました。

 後半は、佐藤元洋さん。現在、東京藝術大学の4年生に在学中ということです。

D.スカルラッティの「ソナタ・ロ短調K.27」でみせたデリケートな指先。さりげなさが素晴らしかったです。

 続いて、ベートーヴェンのソナタを2曲。まずは「ソナタ第13番・変ホ長調Op.27-1」です。タッチ一つ一つまでが考え抜かれた丁寧な第1楽章、一転してドラマティックな第2楽章、聖なる調べが美しい第3楽章、ワクワクするようなスピード感で疾走する第4楽章。ベートーヴェンへの敬愛の心が伝わってくるような演奏でした。

 もう1曲は「ソナタ第24番・嬰ヘ長調Op.78『テレーゼ』」です。この上なく美しいテーマによる第1楽章は、心にあたたかく響く調べ。俊敏な第2楽章は意表をついたラストが面白かったです。

 最後の曲は、前半の古海さんと同じ、ショパン「ソナタ第3番・ロ短調Op.58」。佐藤さんは、同じ曲でもこんなに違うのかというくらい、全く違う魅力を引き出していました。音楽の輪郭をロマンティックにくっきりと打ち出していた第1楽章、音の粒立ちが軽やかな第2楽章。第3楽章は心の歌に満ちていました。そして落ち着いたテンポの中で、心をふるわすような大きなクライマックスへと終結していった第4楽章。この名曲の凄さ、素晴らしさに、改めて感動しました。

 アンコールは「革命のエチュード」。何という切れ味でしょう。

 今宵のお2人がこれから世界へ向けてどのような活動を展開されていくのか、本当に楽しみです。またぜひ聴かせていただきたい、と思いました。

(H.A)

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