トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2015年 > アレクセイ・メルニコフ ピアノリサイタル > 開催レポート

アレクセイ・メルニコフ ピアノリサイタル 開催レポート
《東京公演》
2015年
9月8日(火)19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 心地よい秋風が感じられるようになった9月の初旬、モスクワ出身のピアニスト、アレクセイ・メル二コフさんのリサイタルが開催されました。モスクワ音楽院に在籍するメルニコフさんは、ロシア国内ではもちろん、ヨーロッパ各地で演奏活動を展開する期待の若手ピアニストです。今回のコンサートでも情熱的な演奏を披露してくださいました。

 前半のプログラムでは、スクリャービンの前奏曲がとても印象的でした。全24曲のうち8曲が演奏されたのですが、どれも各曲の持つ世界観が十全に表現された好演でした。高音域で幻想的な下行パッセージがたゆたうように現れたかと思えば、脳髄を貫くような鋭く力強い旋律が押し寄せる。彼は巧みに音の色彩を操りながら、スクリャービン特有の神秘的で魅惑的な世界を瞬く間に作り出していきました。

 後半のプログラムでは、プロコフィエフのソナタが圧巻でした。ショスタコーヴィチやラフマニノフの音楽が絶えず流れる家庭で育ったというメル二コフさん。それらの作曲家と並んでロシア音楽を代表するプロコフィエフの作品も、当然彼の身体に染みこんでいるのでしょう。その演奏は完全に彼自身の音楽となって客席に届けられました。技術的にも精神的にも大変高度なものが要求される作品ですが、抜群の安定感で会場を魅了。時に剥き出しの感情が迫ってくるような、魂の叫びが聞こえてくるかのような熱演に、自然とブラボーの歓声があがりました。

 アンコールに演奏されたグルック・ケンプ作《精霊の踊り》も素晴らしかったです。直前のプロコフィエフの音楽とは全く異なる、甘く切ない旋律の響きが優しく会場を包んでいきました。メルニコフさんの今後ますますのご活躍に期待しています。         

(Y. T.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2015年 > アレクセイ・メルニコフ ピアノリサイタル > 開催レポート