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佐野主聞ピアノリサイタル 開催レポート
2015年7月24日(金) 19:00開演 18:30開場 
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 夏らしい陽気の続く7月下旬、佐野主聞さんのピアノ・リサイタルが開催されました。ソロ活動のほか、オーケストラとの共演や室内楽にも力を注いでいるという佐野さん。今回の演奏会では、ハイドン、ブラームス、ショパンの作品を取り上げ、濃密なプログラムを披露してくださいました。

 前半の第1曲目は、ハイドンの《ピアノ・ソナタ第56番 ニ長調》。素朴な主題が徐々に変奏されていく第1楽章と、疾走感あふれる第2楽章から成る曲です。透明感のある音でひとつひとつのフレーズを丁寧に紡ぎ、休符や音の間が有する魅力を存分に聴かせる好演でした。続くブラームスの《3つの間奏曲》は作曲家晩年の作品で、まどろみのなか過去を憧憬しながら苦悩し、やがて諦念へと至るような曲です。ブラームス特有の和声表現に見られる闇と光の間での揺れ動きが、深く表現されていました。長いフレーズでも気持ちが途切れることなく、最後の一音にまで強い思いが乗せられており、その思いは音の余韻とともに昇華されていくかのようでした。前半の最後は一変して、穏やかで優しく、爽やかな風を思わせるショパンの《舟歌》。主旋律を下で支えるバルカローレのリズムを巧みに操り、絶妙な間合いと曲の流れを作り出していました。

 後半のプログラムは、ショパンの大曲《ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調》。特にその第3楽章は気持ちのこもった演奏で、作品の世界に自然と引き込まれるようでした。アンコールでも熱い拍手に応えてたくさんの曲を披露。幅広いジャンルの音楽を弾きこなす佐野さんらしく、最後はジャズ要素満載の曲で会場を沸かせました。客席の空気をそれぞれの曲に合わせて瞬時に変えていく様は素晴らしかったです。

 今後、佐野さんは浜松国際ピアノコンクールへの出場を控えているほか、米国インディアナにおいてさらなる研鑽を積まれる予定とのこと。ますますのご活躍に期待したいと思います。

(Y. T.)

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