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浜松国際ピアノアカデミー 第20回開催コンサート in 表参道(全4公演)
木竜馬イブニングコンサート 開催レポート
2015年7月16日(木)19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
「浜松国際ピアノアカデミー 第20回開催記念コンサート in 表参道」のイブニング・コンサートは、ウィーン国立音楽大学大学院に在学中の若きピアニスト、高木竜馬さんの登場です。現在22歳。浜松国際ピアノアカデミーには2009年、高校1年生の時に初めて参加して以来、計4回受講。世界の名教授のレッスンを大きな糧としながら研鑽を積んでこられました。当夜も大曲をそろえた意欲的なプログラム。伸び盛りの演奏に、注目が集まります。最初の曲は、ベートーヴェンのワルトシュタイン・ソナタです。躍動感溢れる第1楽章。パンチが効いています。第2楽章では静かな音楽の流れの中で、デリケートな感情の起伏を表現。第3楽章は光り輝く天上の調べを思わせました。
続いて、ドビュッシーの「映像 第1集より『水の反映』」。ポトリポトリと落ちる小さな雫から、大河のうねりまで。幅広い水の様相が、表情豊かに表現されました。
シューマンの「アベッグの名による変奏曲 Op.1」。甘く美しいテーマが、次から次へと複雑なパッセージとなって変奏されていきます。素晴らしいテクニック。夢のひと時でした。
ショパンの「スケルツォ第2番Op.31」。若々しさと力強さ。プログラムの前半を、見事に締めくくりました。
休憩をはさんで後半は渋く、ブラームス晩年の名曲、「4つの小品Op.119」です。限りなく穏やかに語りかける第1曲。心あたたまる素晴らしい曲ですね。第2曲は一転して、ドラマティックな独特のリズム。中間部は子守唄を思わせる美しいメロディーでした。第3曲は風のように軽やか。憧れに満ちていました。第4曲は威風堂々、最上級の重厚感。
そしてついに最後の曲、リストのソナタ・ロ短調です。巨大なスケールのソナタを弾き始める前に、ピアノの前に座ってしばらく精神統一。そして最初に鳴らした第1音から、ドラマは始まりました。静から動へ、動から静へ、その力強さはすごい迫力でした。
ここまで大きなプログラムを演奏したあとにも関わらず、アンコールは何と2曲。1曲目は、ラフマニノフ=江口玲編「パガニーニの主題による狂詩曲」より第18変奏曲。甘美な音楽は、美しさに満ちていました。2曲目はショパンの「英雄ポロネーズ」。軽やかで明るくて、とても個性的。最後まで元気全開なのには本当に驚きました。
未知の可能性を秘めた22歳のピアニスト。今後が楽しみです。
(H.A.)
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