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赤木有季子&アレックス・アルグアシル
デュオリサイタル 開催レポート
2015年7月10日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 太陽と情熱の国スペイン。カワイサロンコンサート in 表参道 No.561は、夏にふさわしい、スペインのピアノ音楽の特集です。出演は赤木有季子さんと、スペイン・バルセロナ出身のアレックス・アルグアシルさん。幅広いレパートリーの中で、スペイン音楽において際立ったスペシャリストぶりを発揮しているピアニストです。お二人はご夫婦で、連弾でも息のぴったり合った演奏を聴かせてくださいました。プログラムは、とにかく多彩でした。

 最初は赤木さんのソロによる演奏からです。アルベニス/スペイン組曲第1集・作品47より第1番「グラナダ」は、あたたかく語りかけるような音楽。トゥリーナ/幻想舞曲集・作品22より「饗宴(オルヒア)」は力強く、場面転換がドラマチック。アルベニス/ナバーラは爽快感に溢れ、音が明るく輝いていました。

 続いてアルグアシルさんのソロです。モンポウ/ピアノ曲集「郊外(街はずれ)」は、独特の情緒をもった5曲。見事な演奏に、一気に引き込まれました。カサブランカス/俳句〜スルバランのために〜、3つの俳句、俳句〜ラモン・バルセのために〜は、俳句をモチーフにした現代音楽。五七五音からなる俳句スタイルにならって作られた楽曲で、繊細さと美しさを併せ持っていました。グラナドス/組曲『ゴイェスカス』恋をするマホたちより、「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」は熱い愛のメロディー。甘美な音楽にとろけそうになりました。同「わら人形」は陽気で歯切れの良い音楽。クライマックスは澄んだ星空のように美しかったです。

 休憩をはさんで、引き続きアルグアシルさんのソロです。ファリャ/4つのスペイン風小品より「アラゴネーサ」「アンダルーサ」。くっきりとしたメロディーは、スペインならではの明るさと哀しみ、情熱に満ちていました。

 そして同じくファリャを、今度は連弾で。プリモが赤木さん、セコンドがアルグアシルさんで、歌劇『はかなき人生』よりスペイン舞曲第1番、第2番。パンチの効いた威風堂々とした演奏に、会場は大いに盛り上がりました。

 アルグアシルさんのソロに戻って、ロドリーゴ/次官たちの大行進。スペインの役人の仕事ぶりを風刺したユニークな曲で、マイペース感、退屈で投げやりな態度が誇張して表されていました。

 コンサートもいよいよ終盤に入り、連弾で、モンサルバーチェ/バロセロナ・ブルース。プリモがアルグアシルさん、セコンドが赤木さんです。ジャズの要素を取り入れた大人の音楽。渋くて格好よくて、お二人にぴったりでした。

 ラストも連弾で、ラヴェル/スペイン狂詩曲。プリモが赤木さん、セコンドがアルグアシルさんです。ミステリアスなヴェールをかぶったような「夜への前奏曲」、胸に秘めた思いを吐露するような「マラゲーニャ」、“静”の緊張感「ハバネラ」、クライマックスでグリッサンドが華やかに炸裂した「祭り」と、息を呑むような素晴らしい演奏でした。

 アンコールはプーランク/4手のためのソナタ。二人の掛け合いが見事でした。

 彩り豊かなスペインのピアノ音楽を、十二分に堪能した一夜。プロフェッショナルな演奏に酔いしれた一夜ともなりました。

(H.A.)

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