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EXCITING ENSEMBLE 第4回
〜若手音楽家育成応援プロジェクト 第4回〜 開催レポート
音楽監督/金木 博幸 (東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリスト)
2015年
6月24日(水) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
出演: 金木 博幸(チェロ)、伝田 正秀(ヴァイオリン・ゲスト)、岸 美奈子(ピアノ)、居福 健太郎(ピアノ)

  

 

 現役のトップ・アーティストが若手アーティストとアンサンブルすることで、ステージの上で生きた間合い、生きた音楽を伝え、さらなる成長と飛躍を応援するプロジェクト「EXCITING ENSEMBLE(エキサイティング・アンサンブル)─若手音楽家育成応援プロジェクト」の第4回が開催されました。回を重ねる毎に、徐々に周囲に浸透していったこのプロジェクト。ついに満員御礼となりました。

 出演するトップ・アーティストは、このプロジェクトの音楽監督を務めるチェリストの金木博幸さんと、ゲストとしてヴァイオリニストの伝田正秀さん。若手アーティストは、ピアニストの岸美奈子さんと居福健太郎さん。以上4名がいろいろな組み合わせで演奏します。

 最初の曲はドビュッシーのチェロ・ソナタ。金木さんと岸さんによる演奏です。金木さんが冒頭の挨拶の中で、「日本の伝統芸能や浮世絵に衝撃を受けたドビュッシーが、琴や篠笛、琵琶など日本の楽器をイメージして作曲した名作」と話されたのですが、まさにそのとおり。幽玄な水墨画のような第1楽章。琵琶を思わせる渋いピッツィカートによる第2楽章。天女が舞うように動的な第3楽章。貫禄のチェロがピアノをしっかりリードしつつ、素晴らしいアンサンブルを実現させていました。

 続いてはメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番で、伝田さん、金木さん、居福さんです。哀愁の歌が美しく流れる第1楽章は、いつまでも聴いていたくなるような心地よさ。家庭的で温かな歌からシリアスな歌へと変貌を遂げた第2楽章では、先輩の音の中で若きピアニストが本当に気持ち良さそうに弾いていました。丁々発止と俊敏な音楽を聴かせた第3楽章。クライマックスへの追い込みが迫力満点の第4楽章。これぞプロの音楽でした!

 後半は再びドビュッシーで、ヴァイオリン・ソナタ。伝田さんと居福さんです。艶やかな音色の第1楽章。その高揚感は、半端なものではありませんでした。謎めいた第2楽章。それをひも解くヴァイオリンとピアノとの駆け引きに、ワクワクしました。鬼気迫る音の連鎖を見せた第3楽章。若さ溢れる熱演に大きく拍手です。

 最後はブラームスのピアノ三重奏曲第1番で、伝田さん、金木さん、岸さんです。雄大な歌を高らかに歌い上げる第1楽章は、3つの楽器のハーモニーの素晴らしさと、大きな間合いと息継ぎ。伸びやかな歌と動的な音楽との対比が見事な第2楽章。ピアノとヴァイオリンとの静かな対話が印象的な第3楽章。内省的な歌から次第に熱を帯び、大きなクライマックスへと盛り上がりを見せた第4楽章。

 最後にステージに並んで立った4人への熱烈な拍手は、なかなか鳴り止みませんでした。若手アーティストにとっては、本当に貴重な経験。この素晴らしいプロジェクトに、今後も注目です。

(H.A.)

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