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永崎京子&深見麻悠子ジョイントリサイタル 開催レポート
〜日本歌曲でめぐる 北原白秋の世界〜
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.22》
2015年
6月16日(火) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 6月16日パウゼにて、永崎京子さん(ソプラノ)と深見麻悠子さん(ピアノ・作曲)のジョイントリサイタル(東京藝術大学同声会サロンコンサートvol.22)が開催されました。プログラムは、『日本歌謡でめぐる北原白秋の世界』と題され、深見さんの新曲も含め、今年生誕130周年を迎える北原白秋の詩による作品で構成されておりました。

 リサイタル前半は馴染みの深い作品が並んでおりました。梁田貞《城ヶ島の雨》と團伊玖磨《秋の野》では、太く温かみのある声で哀愁を帯びた世界を表現されていました。そして、伸びやかで慈愛に溢れていた草川信(深見さん編曲)《ゆりかごのうた》を経て、山田耕筰の《この道》、《あわて床屋》、《待ちぼうけ》、《かやの木山の》、《鐘がなります》の5曲を披露されました。一つ一つの言葉を丁寧に表現されており、日本語の持つ美しさが引き立つ繊細な曲作りがなされていることを改めて実感いたしました。

 前半最後は、深見さん作曲の《歌曲集『桐の花』〜ソプラノとピアノのための〜》(改訂初演)です。31文字の短歌が近代的な和声で色付けられ、言葉の持つ雅やかな響きと音楽が絶妙に織り交ざり、幻想的な雰囲気を醸し出しておりました。

 休憩を挟み後半は、山田耕筰《歌曲集『AIYANの歌』》が歌われました。この作品は、北原白秋の故郷である柳河を舞台とした詩から〈NOSKAI〉〈かきつばた〉〈AIYANの歌〉〈曼珠沙華〉〈気まぐれ〉の5つの詩に曲が付けられています。深みがあり歌詞を丁寧に表現される永アさんの歌声と、その歌声を引き立てながら背景を立体的に表現されている深見さんのピアノにより、それぞれの詩に込められた情景がドラマティックに表現されておりました。

 リサイタルの最後は、打楽器奏者の前田啓太さんをお迎えし、深見さんの新作《『青き花』〜ソプラノ・ピアノ・打楽器のための〜》が披露されました。声、ピアノ、打楽器によって作り出された独特な響きが詩の内容を一層引きたせており、映画を観ているような臨場感があり興味深く聴かせていただきました。

 客席からの盛大な拍手に応えられ、アンコールに山田耕筰《からたちの花》を歌ってくださり、温かな雰囲気で締めくくられました。北原白秋の詩の奥深さ、日本語の持つ繊細な美しさを堪能できた素敵なリサイタルでした。

(K.S)

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