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藝大SCHUMANN シューマンとその周辺 開催レポート
〈東京藝大ピアノ科教員シリーズvol.5〉
2015年5月22日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 毎回好評を博している「東京藝術大学ピアノ科教員シリーズ」の第5回目は、『シューマンとその周辺』をテーマに開催されました。今回ご出演されたのは、後藤友香理先生、東浦亜希子先生、菅野雅紀先生、安武亮先生です。

 リサイタルは、後藤先生の演奏による《アベッグ変奏曲》Op.1で幕を開けました。変奏の主題を愛らしく伸びやかに表現されながらも、初期の作品の持つ若々しさや、チャレンジ精神に溢れた華やかな演奏を披露してくださいました。

 続いて、シューマンの43歳の誕生日のために妻クララが作曲した《ローベルト・シューマンの主題による変奏曲》Op.20を東浦先生の演奏で聴きました。シューマンへの温かな愛情が伝わるような、細やかで奥ゆかしい表現が印象的でした。

 前半最後は、『ブラームスピアノ曲講座』でお馴染みの菅野先生が登場され、ブラームス《シューマンの主題による変奏曲》Op.9を演奏されました。先ほどのクララ作曲の変奏曲と同じ主題で書かれていますが、ブラームスのエッセンスが凝縮されているようで、一味違った個性が味わえて聴きごたえのある演奏でした。

 後半は、初期の作品《アレグロ ロ短調》Op.8で始まりました。冒頭の《アベッグ変奏曲》と同じく後藤先生が演奏してくださいました。核となる主題が原型を保ちつつも様々な表情で展開されていきます。役者が演じるように表情豊かでダイナミックな演奏を展開されました。

 次は、東浦先生の演奏による《主題と変奏(天使の主題による変奏曲)》遺作です。コラールのような美しい主題が、人生を回想するように展開されていき、限りなく美しい作品でした。東浦先生は繊細な音色で曲の持つ奥深さを表現されておりました。

 最後は、安武先生の演奏による《幻想曲 ハ長調》Op.17です。強靭なタッチと楽曲に対する細やかなアプローチにより、作曲当時クララとの交際を反対されたシューマンの心の葛藤がひしひしと伝わるようなドラマティックな演奏を展開してくださいました。

 素晴らしい演奏を披露してくださった先生方に客席から割れんばかりの拍手が贈られ幕を閉じました。約2時間の限られた時間の中でしたが、作品の変化を通しシューマンの生涯を辿ることができた充実したリサイタルでした。

(K.S)

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