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藝大CHOPIN ショパンとその周辺 開催レポート
〈東京藝大ピアノ科教員シリーズvol.4〉
2015年4月22日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 

 《東京藝術大学ピアノ科教員シリーズVol.4》は、ショパンとその周辺の音楽を取り上げてのコンサートとなりました。出演は同大学ピアノ科教員を務める白石光隆さん、有吉亮治さん、恩田佳奈さんの3人のピアニストで、タイトルはそのものズバリ「藝大Chopin」。

 コンサートの幕開けは、白石さんのトークです。今回のプログラムは、ショパンの魅力を “詩情豊か” “ピアノらしい華やかさ”の2つにしぼり、前半は“詩情”、後半は“華やかさ”をもつ楽曲で組んだとのことでした。そして、この2つの魅力は表裏一体で、各々の楽曲から “詩情の中の華やかさ” “華やかさの中の詩情”が感じ取れれば…とメッセージ。さあ、演奏の始まりです。

 冒頭は白石さんの、ショパン(リスト編)「6つのポーランドの歌より、第4番バッカナール」。見事な柔軟性と軽やかさ。リストらしいヴィルトゥオーゾの魅力がプラスされて素敵でした。

 ここからはショパンの楽曲で、まずは恩田さんによる「マズルカ」2曲。作品30-4は落ち着いた雰囲気の中に哀愁が、作品33-2は素朴な中に明るさが…。「即興曲第3番」は懐かしい思い出を穏やかに物語るかのようでした。

 続いて白石さん。「夜想曲」作品27-2での細やかな音色のコントロール。「舟歌」のクライマックスでの開放感は驚異的でした。

 前半の最後は、有吉さんによる「幻想ポロネーズ」。思いを込めた独特な語り口が印象的で、一歩ずつ音楽の高みへと上り詰めて行く圧倒的な推進力に、大きく心を揺さぶられました。

 後半のスタートは3人のトークタイム。初めて弾いたショパンの思い出を語り合い、会場がリラックスしたところで演奏へ…。白石さんによるセヴラックの「ショパンの泉」は、ノスタルジックな趣の深いワルツ。こんないい曲があったのですか! そしてショパンの楽曲へと戻り、「華麗なるワルツ」作品34-1も永遠の憧れ。胸を踊らせて聴いても、束の間の夢…。この2曲のワルツがセットみたいにとても効果的でした。

 続く有吉さんの「前奏曲」作品45は、幻想的な素晴らしさ。「マズルカ」作品24-2はまさに“音で語る”音楽で、快活に話したりふと口ごもったりと、微妙なニュアンスの変化がよく伝わってきました。「即興曲第1番」は、さりげなさの中に見え隠れする熱い思い。素晴らしかったです。

 ラストは華やかに、恩田さんによる「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」。たおやかで優しい心に満ちたアンダンテと、輝かしいポロネーズの対比。あたたかな音色が魅力でした。

 アンコールは3人で6手連弾、ラフマニノフの「ロマンス」で会場を魅了。盛大な拍手に包まれました。3人そろえば3通りのショパン。全く異なった魅力をもつショパンに出会えることを再認識した一夜でした。

(H.A.)

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