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格調高きドイツの響きー
ヤコブ・ロイシュナー ピアノ・リサイタル 開催レポート
2015年
3月24日(火) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 約30年前よりソロ、室内楽の両面で演奏活動している、ヤコブ・ロイシュナー氏。レパートリーはバロックから近現代までと幅広く、中でもウィーン古典派と現代を得意としており、これまでにモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトのソナタ全曲演奏も複数回行っているピアニストです。近年ではヨーロッパはもとより、日本を含むアジア各国で定期的にマスタークラスを開催。ケルン、デトモルトの両音楽大学では教授を務め、教育活動にも力を入れていらっしゃいます。

「格調高きドイツの響き」という副題が付いた今回のコンサートは、ベートーヴェンの〈アンダンテ・ファヴォリ〉でスタート。優雅で穏やかな優しさ、その中にも秘めたエネルギーを感じさせます。続いて、モーツァルトの自動オルガンのための幻想曲、ソナタ第11番トルコ行進曲付きと、2曲のモーツァルト作品です。多くの場合は16分音符が4つ並んで演奏されることの多い〈トルコ行進曲〉ですが、テーマを繰り返す際は譜面に書かれているように装飾符の扱いで弾かれて、少しユーモラスな印象を与えます。

 後半はシューベルトの《12のドイツ舞曲》で落ち着いた始まりでしたが、その後は空気が入れ換わったかのような、雰囲気の違うプログラムを披露されました。ラヴェルの《優雅で感傷的なワルツ》、シュトラウス2世(タウジヒ編)のヴァルス・カプリス第2番、そしてゴドフスキーの《こうもり》の主題によるパラフレーズと、最後はとても華やかに結ばれました。ラヴェルの演奏後は拍手が始まるまで静寂があったほど、会場は圧倒された様子でした。

 力強く演奏される際でも、身体全体をあまり動かすことなく音を出されているように見受けられます。弱音がとてもまろやかで繊細。華奢な物をていねいに掬うようなあたたかさが感じられました。

 鳴りやまぬ拍手の中、アンコールには4曲を披露。ブラームスのワルツ第15番で、「おやすみなさい」と言うようにやさしく終わりました。

(R.K.)

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