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坂本文香 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.29 》
2015年
2月25日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 《東京音楽大学 表参道 サロンコンサート》のVol.29は、東京音楽大学大学院に在学中の坂本文香さんのピアノリサイタルです。クラシック音楽の楽しさを伝えられる演奏家になりたい、と語る坂本さん。様々な国籍の作曲家の作品をそろえた、意欲的なプログラムによるリサイタルとなりました。

 冒頭はD.スカルラッティのソナタ。明るく爽快なK.184(L.189)、哀愁を帯びたK.87(L.33)と、対照的な2曲でのスタートです。

 続くベートーヴェンのソナタ第27番ホ短調・作品90では、悩みや葛藤、決意など、揺れる心模様を感じさせる第1楽章を経て、幸福感に満ちた第2楽章へ。率直で美しいメロディーが、ベートーヴェンならではの魅力にあふれていました。

 場面はガラリと換わって、今度はスペインつながりの作品から。グラナドスの「ゴイェスカス―恋をするマホたち[第1部]」より「4. 嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」で、大人の熱く切ない恋の音楽が、ロマンティックに歌い上げられました。そしてリストの「スペイン狂詩曲」では、ピアノの高度なテクニックを駆使しながら、スペインの情熱的な舞曲を華麗に演奏。スペインの風情がたっぷり堪能できた、素敵な2曲でした。

 休憩を経て、場面はまた一転。とてもシュールな、プロコフィエフ「4つの練習曲・作品2」より、第2番と第4番です。ギリギリまで突き詰めたロマンティシズム、野卑で、ユニークで…。とても面白い音楽ですね。

 続くは、武満徹の「雨の樹素描II ―オリヴィエ・メシアンの追憶に―」。淡い音を微妙に塗り重ね、様々に混ぜ合わせる、音の色彩のパレット。空間に響き渡る音響とその余韻は、神秘の極致といいましょうか。若いピアニストが積極的に武満作品を取り上げるというのは、素晴らしいことだと思います。

 そして最後は、シューマンの傑作、「謝肉祭“4つの音符による面白い情景”作品9」。色とりどりの個性的な各曲のキャラクターを、大胆に弾き分ける坂本さん。華やかに、リズミカルに、ロマンティックに、そしてスリリングに…。音楽はいよいよ終盤となり、堂々たるクライマックスへ。すごい迫力でした。

 アンコールは、後半の冒頭で弾いたプロコフィエフ「4つの練習曲・作品2」より、第1番。溌剌とした演奏に、会場からは大きな拍手が送られました。

(H.A)

師匠の石井克典教授と

菊地裕介先生と

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