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齊藤一也 ピアノリサイタル 開催レポート
《2013年 日本音楽コンクール 入賞者シリーズ》
2015年2月17日(火) 開場18:30 開演19:00
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 春の気配が待ち遠しく感じられる中で《2013年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ》として、2月17日にカワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」にて齋藤一也ピアノリサイタルが行われました。

 日本音楽コンクールにて優秀な成績を収められてから2年が経ち、現在パリ国立高等音楽院ピアノ科に在籍し、研鑽を積むとともに世界各地でリサイタルを開き、ピアニストとして充実した活動をなさっています。

 前半の1曲目、ベートーヴェン「ピアノ、ソナタ 第25番 ト長調 作品79」は、きっぱりとした音色を生かした、奥行きのある音響が魅力的な演奏でした。続くブラームス「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 作品24」ではシンプルな主題から、装飾を用いた軽い変奏を経て次第にブラームス特有の重厚さと繊細さを持つ音へと変化していきました。ブラームスらしさを残しながらも齋藤さんの丁寧な音使いや勢いのある疾走感が加えられ、ピアニストとしての大きな表現力に驚きました。

 後半は、印象主義の代表作とも言われるドビュッシー「前奏曲第1巻・第2巻」より抜粋して演奏されました。「アナカプリの丘」「妖精はあでやかな踊り子」「月の光が降り注ぐテラス」それぞれ表現しているものは異なりますが、影がありながらも優雅で幻想的な音の世界に引き込まれました。それとは対照的な「花火」では一瞬で鮮やか散る様子もまた異なる面白みがありました。

 プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ 第2番 ニ短調 作品14」では初期の作品の中でも、後年のプロコフィエフの特徴の一つである皮肉さ・滑稽さが垣間見えつつある作品で、非常にドラマティックな旋律と次々と変化している音の流れを巧みに捉えた演奏でした。近代的な刺激のある音だけを前面に出すのではなく、構成や全体の纏りを的確に捉えた安定感のある演奏でした。

 アンコールはドビュッシー「亜麻色の髪のおとめ」グラナドス「わら人形」プロコフィエフ「トッカータ」をそれぞれ異なる世界観を持って弾かれ、観客を大いに沸かせました。

 今後の世界・日本での更なる活躍が期待されるピアニストとして、意欲的で充実した演奏活動を願っております。

(M.H.)

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