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ニューイヤースペシャルコンサート
日本ショパン協会 第269回例会
大崎結真 ピアノリサイタル 開催レポート
〜 ショパンの幻想的遺伝子 たち 〜
”第15回 ショパン国際ピアノコンクールファイナリスト”
”第37回 日本ショパン協会賞受賞”
2015年
1月28日(水) 開場pm6:30 開演pm7:00
会場:東京文化会館小ホール

 

 

 1月28日、東京文化会館小ホールにて、ピアニスト大崎結真さんのリサイタルが開催されました。本日は『ショパンの幻想的遺伝子たち』をテーマに、ショパンの幻想的な性格が色濃く反映されている作品と、その幻想性を引き継いだドビュッシーとスクリャービンの作品で構成された大変興味深いプログラムで迎えてくださいました。

 冒頭のショパン《前奏曲 嬰ハ短調》作品45の演奏が始まるやいなや、様々な表情を持つ美しい音色と、ホールの音響も楽器の一部にされているような演奏に圧倒されました。大崎さんの指先から紡がれる音色が空間に溶け合いながら幻想的な雰囲気を醸し出しておりました。

 続いて、ドビュッシー《前奏曲第1集》から〈アナカプリの丘〉、〈雪の上の足跡〉、〈西風の見たもの〉の3曲を披露されました。それぞれの情景や空気感が鮮明に表現された臨場感のある演奏で、ドビュッシーの音による描写の巧みさを改めて実感いたしました。

 前半最後のショパン《ピアノソナタ第3番 ロ短調》作品58では、激しい感情の中にも気高さを失わない表現をなされ、楽章全体を通して一つの物語になっているような演奏を展開されました。

 後半最初のショパン《2つのノクターン》作品62では、メロディが歌のように伸びやかに表現されており、それを左手の伴奏がしっかりと支え、自由ながらも安定感のある心地よい演奏を聴かせてくださいました。

 夢心地なノクターンの後は、晩年の大作である《幻想ポロネーズ》作品61です。病魔と闘いながらの健康的でない息づかいと、次々と湧き出てくるような祖国への想いが感じられ、強く印象に残りました。

 最後はスクリャービンの2作品です。《左手のための2つの小品》作品9では、まるで両手で弾いているかのように、滑らかで、音の陰影がしっかりとつけられた演奏でした。中でも〈ノクターン〉では、メロディ本来の美しさが引き立つような繊細な表現がなされ、大変興味深く聴かせていただきました。

 《ピアノソナタ第2番 嬰ト短調〈幻想〉》作品19では、海の広大さや波の動きが巧みに描写されておりました。あらゆる方向から音が降り注いでくるような、立体的で多彩な響きが印象的でした。

 以上のプログラムを弾き終えた大崎さんに客席から盛大な拍手が贈られ、アンコールにショパン《ワルツ》作品64-2を演奏くださり、充実したリサイタルとなりました。素晴らしい演奏をありがとうございました。

(K.S)

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