トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2015年 > ミュージック・ショットバー Vol.4 > 開催レポート

ミュージック・ショットバー Vol.4 開催レポート
〜ニューイヤー・ガラ・コンサート/ドラフィ教授を囲んで〜
2015年1月15日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

 

 

 2015年の幕開けは、ピアニストの関野直樹さんが立ち上げたコンサート・シリーズ「ミュージック・ショットバー」の第4回目。関野さんの師匠である、リスト音楽院ピアノ科主任教授カールマン・ドラフィ氏を招いて、同じくドラフィ氏のお弟子さんであるピアニスト、中谷路子さん、小池久仁子さん、町田百合絵さん、折居吉如さんと共に贈る「ニューイヤー・ガラコンサート」です。ソロ、連弾、2台ピアノ…と賑々しくピアノの魅力を伝える、ピアノの祭典となりました。

 冒頭は関野直樹さんのソロで、リストの「オーベルマンの谷」(《巡礼の年報》第1年スイスより)。繊細でドラマチックな演奏は、コンサートの始まりを鮮やかに印象づけました。

 続いて、中谷路子さんのソロによるラフマニノフ。「エレジー」(幻想的小品集Op.3-1)は美しく物悲しく、心に迫るものがありました。前奏曲Op.23より第6番は甘美に、そして第7番はまるで凍てつく冬の情景のよう。

 今度はラフマニノフを2台ピアノで聴きます。今やとても有名になった前奏曲Op.3-2「鐘」を、第1ピアノ・中谷さん、第2ピアノ・関野さんと、ソロを弾いたばかりの二人が演奏しました。2台ピアノによる「鐘」は音の厚みが倍増して、ものすごい迫力でした。

 次も2台ピアノで、極めつけ、ベートーヴェン=リスト編の交響曲第9番「合唱付き」より第4楽章です。第1ピアノ・小池久仁子さん、第2ピアノ・町田百合絵さん。あの偉大な交響曲のオーケストレーションを、細部まで生かした見事な編曲はさすがリスト。響き渡る「歓喜の歌」は、まさに渾身の演奏でした。

 ブレイクタイムは、ワインからソフトドリンクまで、思い思いのドリンクを片手にひと息。「ミュージック・ショットバー」ならではの楽しみですね。

 後半はドラフィ教授のソロによるショパンの「プレリュード」から。Op.28より「雨だれ」を含む数曲の演奏でしたが、気高く思慮深く、きわめてゆったりしたテンポが斬新で……。さすがでした!

 ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲Op.56b」は2台ピアノで、第1ピアノ・関野直樹さん、第2ピアノ・折居吉如さん。華やかな技法を駆使する変奏曲で、明るいテーマが何とも心地よく、重厚な響きの立体感が素晴らしかったです。

 続いて、再びドラフィ教授のソロで、リストの「葬送」(《詩的で宗教的な調べ》より)。甘く儚い旋律、逃れることのできない哀しい運命、魂の叫び、そして最後の静寂の時まで……。圧巻の演奏でした。

 最後の曲は連弾で、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」。プリモが関野さんで、セコンドがドラフィ教授です。派手な緩急の付け方で、独特のテンポ感。音楽の喜びに満ちていて、これぞ「ハンガリー舞曲」!でした。

 アンコールはドヴォルザークの「スラヴ舞曲」を出演者全員で演奏。3人+3人という豪華版2台ピアノで、華やかなフィナーレです。盛りだくさんのプログラムに、会場からは大きな拍手が贈られました。

(H.A.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2015年 > ミュージック・ショットバー Vol.4 > 開催レポート