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EXCITING ENSEMBLE 第3回
〜若手音楽家育成応援プロジェクト 第3回〜
ニューイヤーコンサート 開催レポート
音楽監督/金木 博幸 (東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリスト)
2015年
1月9日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 本日は、東京フィルハーモニー交響楽団の首席チェリストを務めていらっしゃいます金木博幸さんを音楽監督に、若手演奏家の室内楽の機会を広げるプロジェクトとして行われておりますEXCITING ENSEMBLEのニューイヤーコンサートでした。今回メインの奏者となったのは、日本音楽コンクール優勝をはじめとする輝かしい受賞歴を重ねているヴァイオリニスト会田莉凡さんと、東京フィルへの入団を果たし演奏経験を積んでいらっしゃるヴィオリストの加藤大輔さんのお2人です。そして抜群のアンサンブル力をお持ちのピアニスト鈴木慎崇さんが、ゲストとして演奏に加わり、このお2人の演奏の魅力をさらに引き出していらっしゃいました。演目は全て、室内楽の構築力の高さで知られておりますブラームスの作品で、金木先生ご自身のチョイスだそうです。演目に選ばれた作品が今日の演奏メンバーによってどのように展開されてゆくのか、とても楽しみに思われるプログラムでした。

 最初は会田さんと鈴木さんによる、ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調の演奏。会田さんの演奏は、ヴァイオリンらしいとても華やかな音色が美しいものでした。このソナタはピアノパートもなかなかボリュームのある作品ですが、鈴木さんのピアノのとても落ち着いた音色に、会田さんの艶やかな音色が浮かび上がり、2つの楽器の素敵な掛け合いが出来上がっていました。特に活き活きと生命感に溢れた第3楽章は印象的でした。

 次は加藤さんと鈴木さんによる、ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調の演奏。加藤さんのヴィオラ演奏は、深みのある音色の中にもの凄い情熱を感じるものでした。第1楽章では楽曲の明と暗、静と動のコントラストを見事に表現されていました。そしてアップテンポの終楽章ではエネルギッシュに作品をまとめ上げ、鈴木さんとのピッタリ揃ったアンサンブルも見事でした。ひそやかな第2楽章では長めのピアノ・ソロ部分がありますが、そこでは鈴木さんの表現力も光っていました。

 休憩明けは金木先生ご自身も加わっての、ピアノ四重奏第3番ハ短調。ブラームスの作品は独奏曲ももちろん素敵ですが、4つの楽器が集まると音楽の層がぐっと厚くなります。そして4人の奏者の皆さんは、その1つ1つの層をとても表現豊かに、そして立体的に演奏していらっしゃいました。特に金木先生のチェロはとても深い呼吸が感じられ、それが演奏全体にも行き渡り、音楽は生きているのだということを聴き手に伝えるようなアンサンブルとなっていました。

 最後の最後も「全演目演奏した鈴木さんがバテバテなので…(笑)」というMCを入れつつもやはりブラームスのピアノ四重奏曲という、非常にボリューミーなアンコールでした。室内楽の魅力を存分に味わうことのできた、非常に素晴らしいコンサートでした。

(A.T.)

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