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日本ショパン協会 第268回例会
岸 美奈子 ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.25》
2014年
12月19日(金) 19時00分開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 12月の表参道。コンサートサロン「パウゼ」の付近もイルミネーションで美しく彩られ、すっかりクリスマス・ムードに包まれています。

 さて、「日本ショパン協会パウゼシリーズ」の一環として開催された本日のコンサートの演奏者は、岸美奈子さん。東京藝術大学とモスクワ音楽院に学び、現在武蔵野音楽大学等で教鞭をとられている若手ピアニストで、これまでにもカワイ主催の演奏会に度々ご出演くださっています。

 「月」をテーマに構成されたという今回のプログラムの冒頭を飾るのは、ベートーヴェンの《ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」》です。虚飾を排しシンプルに演奏された第1、2楽章の美しさもさることながら、第3楽章の切れ味の良い疾走感と迫力は圧倒的で、1曲目にして既に「ブラボー!」の声が上がりました。

 つづいて演奏されたのは、3曲目の〈月の光〉が特に有名な、ドビュッシーの《ベルガマスク組曲》。「印象派」の作品によくありがちな微温的な演奏とは大きく一線を画す、生き生きとした開放的な表現が大変魅力的でした。とりわけ、速めのテンポで演奏された1曲目の〈前奏曲〉では、内側からあふれ出るようなエネルギッシュで自由闊達な音楽作りに、ドビュッシー作品としての新しい可能性を見る思いがしました。

 リサイタルの山場となったのは、後半で取り上げられたショパン《12の練習曲 作品25》全曲です。ロシア留学中、セルゲイ・ドレンスキー先生のもとでショパンの練習曲作品10と25の全曲を学び直されたという岸さん。作品10が「太陽」だとすれば作品25は「月」、というイメージが、今回のリサイタルの軸となっているそうです。「光と影の万華鏡のような」(プログラムノートより)ショパンの多彩な面が鮮明に引き出された岸さんの演奏を聴いていると、この作品の「練習曲」としての技術的な困難さをうっかり忘れてしまいそうになります。曲集の終盤、岸さんの圧倒的な表現力とピアニズムがまさしく迸るようでした。アンコールには同じくショパンの《前奏曲第7番 イ長調》と、《即興曲第1番 変イ長調》の2曲が演奏され、コンサートは華やかに締めくくられました。

 終演後、岸さんの新発売のCDの販売とサイン会が行われ、ロビーは沢山のお客様でにぎわっていました。

(N. J.)

 

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