東京藝術大学音楽学部同声会アンサンブルフェスティバル2014開催レポート

東京藝術大学音楽学部同声会

アンサンブルフェスティバル2014 開催レポート

Tokyo University of the Arts Doseikai Ensemble Festival 2014

■Tulip Wind Quintet
11月8日（土）13：00～14：00　<出演> 佐々木華（Fl）浅原由香（Ob）小山桜（Hr）吉田陽香（Fg）赤木智美（Cl）
会場：カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」　

　11月８日(土)東京藝術大学音楽学部同声会アンサンブルフェスティバルが開催され、管楽器専攻生による木管五重奏「Tulip Wind Quintet」が演奏されました。

　会場には木管楽器を学ぶ若手を中心に大勢の方が駆けつけ、温かい雰囲気の中で演奏会が始まりました。

　５人は鮮やかな美しいドレス姿で現れ、まず演奏されたのはピアノ独奏曲として知られるラヴェル《クープランの墓》より木管五重奏編曲版でした。バロック期の踊りを中心に各小品をさわやかな音色とともに、踊りを思わせるような軽やかさで演奏されていました。

　続いては木管五重奏の作曲家として有名なダンツィの作品から《木管五重奏曲　第二番ト短調　作品５６》です。古典的な音楽の形式に則り、しっかりとした構成を感じさせつつ、各奏者の演奏の柔軟さとセンスの良さが印象的でした。アンサンブルの多様な音色やバランス配分などを考えた上での巧みな演奏に聴衆も大いに聞き入っていました。

　最後にニールセン《木管五重奏　作品４３》が演奏されました。この楽曲の最終楽章は、変奏曲となっており、五重奏だけでなく、各楽器の技巧を凝らしたソロやデュオ・トリオなど様々な楽器の組み合わせの音を聞くことができました。５人の素晴らしいソロやアンサンブル、最終変奏の先にある温かみのある主題の再現がなんとも感動を誘いました。

　アンコールは先程演奏したダンツィの木管五重奏曲から最終楽章を、テンポの良さと息の合ったアンサンブルを披露し締めくくられました。

　５人の調和のとれたアンサンブルを存分に楽しみ、お客様からも温かい拍手が届きました。

　木管楽器とアンサンブルの楽しみを味わい、心温まるひと時でした。彼女たちの今後の更なるご活躍を期待しております。

(M.H.)