| |||||||
|
|
■Yazu Farbe
東京藝術大学音楽学部同声会
アンサンブルフェスティバル2014 開催レポート
Tokyo University of the Arts Doseikai Ensemble Festival 2014
11月7日(金)19:00〜21:00 <出演> 矢津将也(Vn) 矢津朋香(Vn) 加藤陽子(Vc) 碓井俊樹(Pf)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
本日は東京藝術大学同声会によるアンサンブル・フェスティバルの一貫として、ヴァイオリニストの矢津将也さんを中心とした室内楽のコンサートが開催されました。この演奏会のために、同じくヴァイオリニストである妹の朋香さん、若手チェリストとして注目を集めていらっしゃいます加藤陽子さん、国内外でご活躍中のピアニスト磯井俊樹さんが集まりました。最初は矢津さん兄妹と磯井さんによる、ヘンデルの2つのヴァイオリンのためのソナタの演奏でした。このヴァイオリン2台という編成は、近現代では珍しくなりましたが、バロック時代にはこの編成の名曲がたくさん生まれていました。2つのヴァイオリンが共鳴し合った、とても迫力のある演奏でした。
次は、妹の朋香さんがヴァイオリンパートを担当し、チェロの加藤さんにもご登場いただいて、モーツァルトのピアノ三重奏曲の演奏でした。お兄さんの将也さんがとても情熱的で表現力に溢れた演奏をされるのに対し、朋香さんの演奏は共演メンバーをよく見渡した端正な印象があります。そんな朋香さんのキャラクターを思わせる、とても落ち着いた演奏でした。
休憩後は矢津さん兄妹とチェロの加藤さんによるハイドンのディヴェルティメントです。ディヴェルティメントは他の室内楽のジャンルに比べて、遊び心に溢れた曲調が特徴的です。お兄さんの将也さんが第1ヴァイオリンとして全体の音楽創りをリードし、明香さんと加藤さんもそれに積極的に応じてゆく、とても素晴らしいアンサンブルでした。
最後のプログラムはお兄さんの将也さんがヴァイオリンパート、それに加藤さんと磯井さんが加わっての、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲。この作品はピアノ三重奏曲の中でも大変有名で、多くの室内楽演奏会で扱われていますが、矢津さん達のアンサンブルはとても表現に富んでいて、新鮮に感じました。矢津さんと加藤さんの熱のこもった躍動感のある音色に、磯井さんの安定したピアノが入ることで絶妙なアンサンブルが出来上がっており、終演時には大きな拍手が沸き上がりました。一夜にして室内楽の様々な魅力を知ることのできた、充実のコンサートでした。
(A. T.)
ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2014年 > 東京藝術大学音楽学部同声会アンサンブルフェスティバル2014 > 開催レポート