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ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ 第8夜開催レポート
(Chamber music series Vol.7)
〜日本を代表するアーティストとヤング・アーティストのコラボレーション〜
ゲスト・アーティスト: 加藤 知子(ヴァイオリン)
出演:田崎 悦子(ピアノ)、加藤 知子(ヴァイオリン)、
ヤングアーティスト:安 里佳子(Pf)、川上 拓人(Vn)、渡邉 大樹(Vc)、黒川 実咲(Vc)
コンサート 2013年10月31日(金)19:00 〜(18:30開場) 
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

   写真:井上緑

 ピアニスト田崎悦子氏のプロデュースによるピアノ室内楽シリーズ モJoy of Chamber Musicモ が開催されました。本シリーズ8回目となる今回の演奏会では、ゲストにヴァイオリニストの加藤知子氏を迎えて、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの室内楽作品が取り上げられました。

 まず、桐朋学園大学音楽学部に在学中の「ヤング・アーティスト達」により、ベートーヴェンの《ピアノ三重奏曲 ト長調Op. 121a「仕立て屋カカドゥ」主題による10の変奏曲とロンド》が演奏されました。通称《カカドゥ変奏曲》と呼ばれるこの曲は、その名のとおりヴェンツェル・ミュラーのジングシュピール《プラハの姉妹》からのリート「私は仕立て屋カカドゥ」の主題が様々に変奏されていく作品です。3つの楽器(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ)の掛け合いが生きる伸びやかな演奏で、特に民謡調に変奏されるところでは各楽器の奏でる音楽が心地よく調和し、その素朴な曲想がよく表現されていました。

 次の演奏は、田崎氏と加藤氏によるブラームスの《ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 Op. 78》。これは自作のリート《雨の歌》の主題が第3楽章に用いられていることから、同名の愛称で広く知られている作品です。敬愛するクララ・シューマンが好んでいた《雨の歌》を本作に引用することで、ブラームスは彼女への思慕の念を表現したといわれています。その情感あふれる旋律が、加藤氏の深く温かなヴァイオリンの音色により見事に歌い上げられており、その美しく豊かな表現は圧巻でした。

 最後は、田崎氏、加藤氏、黒川氏(桐朋学園大学卒業生)による、シューベルトの《ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 Op. 100》。作曲家の死の前年に作られたこの曲は、シューベルト晩年の他作品にも同様の傾向が見られるように、非常に長大で荘重な作品です。若手アーティストとして演奏に加わった黒川氏も哀愁に満ちたメロディを美しく奏で、存在感を発揮していました。会場からは温かい拍手が送られ、和やかな雰囲気のなかで演奏会は閉じられました。

(Y. T.)

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