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田中香織ピアノリサイタル 開催レポート
「美しきウィーン音楽への誘い」vol.1
2014年10月17日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
10月17日パウゼにて、ピアニスト田中香織さんのリサイタルが開催されました。プログラムは「美しきウィーン音楽への誘い」をテーマに、ウィーンで活躍した作曲家の作品ばかりで構成されておりました。チケットは前売りの段階ですでに完売。会場は非常に多くのお客様で賑わいました。リサイタルはモーツァルトの作品で幕を開けました。この日は《幻想曲 ニ短調》KV.397と《ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調》KV.282を披露してくださいました。調性や和声の僅かな変化を大切に表現されつつ、メロディを伸びやかに歌わせてゆかれます。まるでオペラのアリアを聴いているような表情豊かな演奏でした。
続いて、ピアノの魔術師リストが編曲を施したシューベルトの作品から《シェークスピアのセレナーデ》S.558 R.243-9と《ウィーンの夜会》S.427 R.252-6を演奏されました。シューベルトの愛嬌のある親しみやすい曲想とリストならではの技巧的な華やかさが織り交ざった、スケールの大きな演奏に息を呑むようでした。
休憩を挟み、後半最初はベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調》Op.109です。楽器を豊かに鳴らされており、重厚で穏やかな響きが客席を包み込みます。内面的で非常に難しいソナタですが、この作品の持つ崇高さや深い精神性を感じられ、心に染入るような演奏でした。
リサイタル最後を飾るのは、ゴドフスキーの作品です。《なつかしきウィーン》では、哀愁に満ちた甘美な演奏を。ヨハン・シュトラウス世のオペレッタ「こうもり」の編曲《ヨハン・シュトラウスの主題による3つの交響的変容》より第2番〈こうもり〉では、シャンデリアの輝く舞踏会に足を踏み入れたような、煌びやかでダイナミックな演奏を聴かせてくださいました。
客席からの鳴り止まない拍手に応え、アンコールはクライスラー=ラフマニノフ《愛の悲しみ》を演奏してくださり、大変充実したリサイタルとなりました。素敵な演奏をありがとうございました。
(K.S)
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