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金孝珍ヴィオラリサイタル 開催レポート
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.20》
2014年
10月16日(木) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 10月16日(木)、新進演奏家として活躍中である金考珍さんのヴィオラリサイタルが開催されました。秋も深まり寒くなる一方でとても和やかな暖かい雰囲気の中でリサイタルが始まりました。

 コンサートはロシアの作曲家ミハイル・グリンカの「ヴィオラ・ソナタ ニ短調」から始められました。ロシアの冬を思わせるようなメランコリックな冒頭から、安心感のある旋律まで、聴き手の感情に寄り添うような演奏でした。

 続いては、ブラームスの「ヴィオラ・ソナタ第2番 変ホ長調 op.120-2」が演奏されました。晩年のブラームス特有の暖かく奥深い世界を見事に表現されていました。人の心を揺さぶるような激しい場面もあり、表現の多様さと豊かさを感じました。

 休憩を挟み、後半は20世紀の作曲家によるプログラムでした。

 まずは戦後に活躍したペンデレツキの「無伴奏ヴィオラのためのカデンツァ」から始められました。たゆたうような音から疾走感あふれる速いパッセージまで大変鮮やかな演奏でした。とりわけ広がりのある深い音と敬虔な祈りを表した静かな場面では、金さんの演奏家としての深みを感じました。

 最後の曲としてヴィオラという楽器に光を当てたヒンデミットの「ヴィオラ・ソナタ op.11-4」が演奏されました。各楽章が繋がっている長大な楽曲ですが、途切れることのない集中のなかで、時に寄り添い時に後押しをする鈴木慎崇さんのピアノと共に音楽を最高潮まで作り上げていく姿に感銘を受けました。聴衆も大きな喜びの中で拍手が鳴り止みませんでした。

 アンコールではエネスコの「演奏会用小品」が演奏され軽やかで華やかな演奏とともにリサイタルは終了しました。

 演奏会を通してヴィオラの持つ可能性と豊かさを感じることができました。独奏楽器としての演奏の機会は少ないですが、ヴィオラの知名度が更に高まることと、そのために欠かせない演奏家として金さんの今後のご活躍を願わずにはいられない演奏会でした。

(M.H)

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