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中西彩加 & 秋元一夢 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.27 》
2014年
10月8日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

  

 10月8日パウゼにて、東京音楽大学ピアノ演奏家コース4年に在学中の中西彩加さんと秋元一夢さんのジョイントリサイタルが開催されました。この日は、ご学友の方々をはじめとする多くのお客様で満席となり、お二人への期待の高さが伺われました。

 前半は中西さんです。モーツァルト《フランスの歌〈ああ、お母さん聞いて〉による12の変奏曲 ハ長調》(きらきら星変奏曲)とショパン《ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調》作品58を披露されました。モーツァルトでは、左右ともに旋律の動きが細やかに表現されており、それぞれが対話しているような楽しげな演奏を、ショパンでは、作品のしっかりとした形式感と洗練さの中に、激しい感情が見え隠れしているような興味深い演奏を聴かせてくださいました。2曲ともに音色が美しく、特に弱い音での繊細な表現は印象的でした。

 休憩を挟み、後半は秋元さんです。演奏曲目は、J.S.バッハ《フランス組曲第3番 ロ短調》BWV814とシューマン《クライスレリアーナ》作品16です。J.S.バッハでは、それぞれの舞曲の特徴をしっかりと捉えられており、躍動感のある演奏を披露されました。シューマンでは、物語や心情の変化をストレートに表現するように曲想が次々と展開され、短編小説を読んでいるような面白さがありました。前半の中西さんが演奏されたショパンと同時期に活躍した作曲家ですが作品の表現は対照的。その違いを改めて実感いたしました。

 アンコールはお二人の連弾で、チャイコフスキー《くるみ割り人形》より〈葦笛の踊り〉を演奏してくださり、客席から盛大な拍手が贈られました。

 お二人はそれぞれの作品に真摯に向き合われ、ご自身の確固とした解釈を持って演奏されているように思いました。更なるご活躍を期待しております。

(K.S)

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