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野上真梨子 ピアノリサイタル 開催レポート 
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.25 》
2014年
9月3日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 9月3日、桐朋学園大学研究科在学中の若手ピアニスト、野上真梨子さんによるリサイタルがパウゼで開催されました。実は野上さん、まだ高校生だった2010年の冬にも、パウゼでのコンサートにご出演くださっています。4年の年月を経て、この日も期待に違わぬ素晴らしい演奏を聞かせてくださいました。

 冒頭のモーツァルト《ピアノソナタ 第4番 変ホ長調 K.282》では、楽器を朗々と響かせるブリリアントなタッチと明快な構成力で、安定感のある緻密な音楽作りが示されます。2曲目に演奏されたブラームスの《パガニーニの主題による変奏曲 第2 集 作品35》は、相当な難曲として知られる作品。これを一貫して見事な音楽的説得力をもって聴かせる抜群のテクニックと感性の鋭さには、舌を巻きました。

 続いてはショパンの作品を3曲。《ノクターン 第7番 嬰ハ短調 作品 27-1》と《同 第8番 変ニ長調 作品27-2》では、内に秘めた情熱を余すところなく歌い上げるドラマティックな表現が印象的でした。圧巻だったのは、勇壮な《ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53「英雄」》です。爽快、と形容してもよいほどに思い切りの良い、エネルギッシュな演奏で、時折顔をのぞかせるちょっとした遊び心もまた魅力的でした。

 リサイタルの後半では、シューマンの大曲《交響的練習曲 作品13》(含・遺作)が演奏されました。高校生の頃にこの作品を聴いて「やりたい!」と思ったという野上さん。実は今回が初挑戦とのことでしたが、最初から最後まで一本筋の通ったその演奏は、既に貫録を感じさせるもので、喜びに満ちたフィナーレでは胸が熱くなりました。

 アンコールにはショパンの《ノクターン 第4番 ヘ長調 作品15-1》が心を込めて奏でられ、会場は大きな拍手に包まれました。

 国内外のコンクールで続々と入賞を重ねられ、今夜のリサイタルでも演奏家としての確かな実力を披露してくださった野上さん、これからの一層のご活躍が本当に楽しみです。

(N.J.)

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