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三木香代&森 知英 ピアノデュオの夕べ Vol.2 開催レポート
2014年
7月25日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 7月25日、三木香代さんと森 知英さんによるピアノデュオリサイタルがパウゼで開催されました。ピアニストとして、また教育者としてもそれぞれ数々の実績を積んでこられたお二人の共演は、パウゼでは3年ぶりとなります。猛暑にもかかわらず非常に多くのお客様に足をお運びいただき、会場は開演前から活況を呈していました。

 初めに取り上げられたのは、20世紀中葉に発見されたというショパンの初期の連弾作品《4手の為の変奏曲 ニ長調》です。若き日のショパンらしいピアニスティックな魅力の詰まった作品で、お二人が実に生き生きと楽しそうに演奏されているのが印象的でした。

 つづいては、シューマンの6つの練習曲をドビュッシーが2台ピアノ用に編曲した、《カノン形式による練習曲》。クラシカルで平明な響きのなかに、内側からあふれ出るようなのびやかな表現が聞かれる、美しい演奏でした。

 三曲目は、管弦楽曲としても有名なラヴェルの《スペイン狂詩曲》です。終曲の〈祭り〉では終盤に向けて圧倒的な盛り上がりを見せ、その華麗なフィニッシュを受けて、客席からは一段と大きな拍手が送られました。

 コンサートの後半、第1ピアノと第2ピアノとの掛け合いが多くみられるサン=サーンス《ベートーヴェンの主題による変奏曲 作品35》では、お二人の抜群のアンサンブル力に目を見張りました。呼吸やタイミングがぴったりと合っているのはもちろん、音色やパッセージのニュアンスまでが有機的な統一感をもってまとめられ、時に一人で弾いているのではないかと錯覚してしまうほどでした。

 フランスゆかりの作曲家を中心にまとめられた今回のプログラムの最後を飾るのは、プーランクの《2台のピアノのためのソナタ》、インドネシアのガムランを思わせる鐘のようなサウンドに始まる印象的な作品です。時に深刻に、時に華々しく、曲の持つ様々な表情を効果的に引き出しながら、今夜の白眉ともいえる非常に密度の高いエキサイティングな熱演が披露されました。

 アンコールもフランスもので、サン=サーンスの《動物の謝肉祭》より〈水族館〉と、プーランクの《シテール島への船出》の2曲。ピアノデュオというジャンルの楽しさ、華やかさを存分に堪能させてくれる、充実の一夜となりました。

(N.J.)

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