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クロイツァー記念会 第38回例会
クロイツァー賞受賞者による演奏会 開催レポート
2014年7月4日(金) 開演:午後7時00分
会場:
津田ホール

 

 

 

 故レオニード・クロイツァー教授の功績を記念し、武蔵野音楽大学・国立音楽大学・東京芸術大学の各大学院修士課程を優秀な成績で修了された方々に贈られる「クロイツァー賞」。本年も、その受賞演奏会が津田ホールにて開催され、3名の受賞者による個性豊かな熱演が繰り広げられました。

 トップバッターは、武蔵野音楽大学大学院修士課程ヴィルトゥオーソコースを修了された青木佑磨さんです。最初に演奏されたのは、シマノフスキの《ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10》。てらいのないまっすぐな表現と確かな構成力は、青木さんの演奏家としてのスケールの大きさを感じさせます。2曲目、バーバーの《ピアノ・ソナタ 作品26》でもまた、堅固な技術によるエネルギッシュな演奏で会場を圧倒しました。

 続いては、国立音楽大学大学院音楽研究科修士課程修了の正村恵さんによる、リゲティ《ピアノのためのムジカ・リチェルカータ》・《ピアノのための練習曲集第1巻》両曲集からの抜粋です。個々の作品の特徴を的確に浮き彫りにする知的な音楽作りが持ち味の正村さん。終始抜群の集中力で、聴き手の耳をひきつけます。とりわけ、《ムジカ・リチェルカータ》第8曲での躍動感に満ちたリズム、《練習曲集》第2曲「開放弦」・第5曲「虹」などで聴かれた抒情性や音色への鋭い感覚は、強く印象に残るものでした。

 最後の演奏者は東京藝術大学大学院修士課程修了の別府由佳さんです。演奏曲は別府さんの恩師、角野裕教授の編曲による、チャイコフスキー《弦楽のためのセレナーデ ハ長調 作品48》(ピアノソロ版)。「常にアクロバティックともいえる程の技巧が要求され」る(別府さん)という大変な難曲ですが、洗練された音楽理解とテクニックに裏打ちされた別府さんの演奏では、作品のテクスチュアのすみずみまでが音楽的説得力をもって鮮やかに弾ききられます。何より、全体を貫く、溢れんばかりのきらきらとした情熱が魅力的でした。

 全ての演奏の終了後には出演者三人がステージ上に並んでカーテンコールとなり、若きピアニストたちの新たな門出に向けて、盛大な拍手が送られました。

(N.J.)

 

 

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