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宮下朋樹&礒 絵里子 デュオリサイタル 開催レポート
〜 ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏シリーズ Vol.4 〜
2014年7月1日(火) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 2011年5月より毎年パウゼで開催されている、ピアニスト宮下朋樹さんのベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏シリーズ。第4回となる今回は昨年に引き続きヴァイオリンの礒 絵里子さんとの共演で、ベートーヴェンの第6番・第7番にベルギーの作曲家セザール・フランクのソナタを組み合わせた聴き応え満点のプログラムが披露されました。

 最初に演奏されたのは《ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 作品30-1》。ベートーヴェンのなかでは比較的取り上げられる機会の少ない作品ながら、お二人の演奏はその溌剌とした明るい魅力を存分に引き出しつつ、聴く者の耳を楽しませてくれます。つづく《ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2》でも、安定感あるアンサンブルで音楽のドラマティックな起伏を生き生きと表現。緩徐楽章における抒情的な美しさもまた、特筆すべきものでした。

 名曲として知られる、後半のフランクの《ヴァイオリン・ソナタ イ長調》は、かつてブリュッセルに留学されていた礒さんにとっても思い入れの深い作品とのことです。ヴァイオリンとピアノの有機的な絡み合いがとりわけ見事で、のびやかでロマンティックな旋律と色彩感豊かなハーモニーに酔いしれました。

 三曲のソナタを終え、笑顔で挨拶されるアーティストのお二人に、客席からは熱のこもった長い拍手が送られます。アンコールは、フランクのソナタの被献呈者でもあるベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイの小品《子供の夢》と、クライスラーの《ベートーヴェンの主題によるロンディーノ》の2曲。梅雨の晴れ間のひと時にぴったりの、さわやかな音楽の夕べとなりました。

(N.J.)

 

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