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EXCITING ENSEMBLE 第2回
〜若手音楽家育成応援プロジェクト 第2回〜 開催レポート 
音楽監督/金木 博幸 (東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリスト)
2014年
6月20日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 

 昨年12月にパウゼで幕を開けた若手音楽家育成応援プロジェクト、「EXCITING ENSEMBLE」。東京フィルハーモニー交響楽団首席チェロ奏者の金木博幸さんの監修のもと、これからの音楽界を担う若き演奏家たちがベテランのアーティストとともに世代を超えた熱い共演を繰り広げます。今回登場されたのは、ともに東京藝術大学大学院在学中で、国内外の様々なコンクールでも着々と入賞・入選を重ねておられるピアニストの栗田 奈々子さん、實川 風さんのお二人です。ゲストには元東京フィル首席クラリネット奏者の生方正好さんをお招きし、ピアノ、チェロ、クラリネットによるデュオとトリオの計4作品が取り上げられました。

 プログラムの冒頭を飾るのは栗田さん、金木さん、生方さんによるベートーヴェン《クラリネット三重奏曲『街の歌』Op.11》。古典的な様式感を保ちつつ、三者それぞれの個性の光る、生き生きとしたアンサンブルが印象的でした。

 つづいて金木さんよりプロジェクトの趣旨についてのお話と本日の演奏者のご紹介があり、生方さんによる曲目解説を経て、ブラームス晩年の名曲《クラリネット・ソナタ 第2番 Op.120-2》が演奏されました。クラリネットの柔らかいのびやかな音色に繊細な感覚で寄り添う實川さんのピアノは、音楽家としての豊かな可能性を感じさせるものでした。

 後半は金木さん、栗田さんによるラフマニノフの《チェロ・ソナタ Op.19》から始まります。有名な《ピアノ協奏曲第2番》とほぼ同時期の作品で、そのピアノ・パートは金木さんいわく、「コンチェルトより難しい」とのこと。もっとも、栗田さんの演奏は技術的な難易度のことをすっかり忘れさせ、聴き手を音楽そのものの内容に引き込む魅力を持っていました。金木さんのチェロの深みのある多彩な響きとドラマティックな表現力はまさに圧巻。お二人の濃密なアンサンブルは「室内楽」という言葉の持つイメージを良い意味で覆すようでした。

 コンサートの最後を締めくくるのは生方さん、金木さん、實川さんの演奏でブラームスの《クラリネット三重奏曲 Op.114》です。音楽の進行と共に熱気と密度を増していくようなそのパフォーマンスは、プロジェクトの名称にふさわしく、実に「エキサイティング」。演奏者の方々も皆さん満ち足りた表情を浮かべておられました。

 室内楽の醍醐味とフレッシュな才能の輝きを堪能できる「EXCITING ENSEMBLE」、次回は来年1月9日にパウゼにて開催されます。こちらもどうぞお見逃しなく!

(N.J.)

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