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加藤未奈 & 木村早紀 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
〜くにたちサロンコンサートin表参道 Vol.17〜
2014年
5月27日(火) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 〈くにたちサロンコンサート in 表参道 シリーズ〉のVol.17は、加藤未奈さんと木村早紀さんのジョイントリサイタルです。国立音楽大学を卒業して、ピアニストとしての活動を始めて間もないお二人。今だからこそできるフレッシュな演奏に、注目が集まります。

 リサイタルの最初は加藤未奈さん。冒頭に演奏する曲として選んだのが、ベートーヴェンの傑作中の傑作、ソナタ「熱情」でした。緊張感の中、丁寧に音を紡いでいく加藤さん。その張りつめた雰囲気が、ベートーヴェンの至高の音楽にとてもよく合っていたように思いました。第1楽章、第2楽章、第3楽章と、歩を進めるにつれてわき上がっていく高揚感が素晴らしかったです。

 続いて登場した木村早紀さんが最初に選んだのは、ショパンの「幻想ポロネーズ」でした。晩年のショパンの見果てぬ夢、暗く沈んだ複雑な境地を、柔らかな感性で演奏。美しい音の響きは夢の中を漂っているかのようで、まさに“幻想”を想わせました。

 リサイタル後半は、加藤さんのショパン「舟歌」から。舟の櫓を漕ぐ規則正しいリズム、明るい陽光に輝きながら様々な表情を見せて揺らぐ水面……。細やかな表現と、クライマックスの盛り上がりが見事でした。

 そしてソロ曲の最後を飾ったのが、木村さんのメンデルスゾーン「厳格な変奏曲」。スタッカートの切れ、流暢で素速いパッセージ、生き生きとした展開にまず驚きました。それぞれの変奏曲の曲想に合った音色の変化が素晴らしく、時に溌剌と、清らかに、穏やかに、哀しげに、聴き手の心を捉えるのでした。

 リサイタルの最後は二人による連弾、ブラームスの「ワルツ Op.39」より、1・2・3・4・6・9・10・13・14・15番が演奏されました。プリモが木村さんで、セカンドが加藤さんです。華麗なるワルツ。ブラームスらしく、どこか素朴で重厚で、あたたかくて……。息がぴったり合っていて、とにかく楽しそうな演奏に、ワクワク胸が躍りました。アンコールでは、有名な第15番のみをリピート。再び現れ出た美しい調べに、心が洗われるようでした。

 あたたかく大きな拍手に包まれた会場。若き二人のピアニストのこれからが楽しみです。

(H.A.)

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