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田中あかね ピアノリサイタル 開催レポート
〜ボンの町から Vol. 7 ベートーヴェンとブラームス 最後のピアノ作品〜
2014年5月23日(金)18:30 開場 19:00 開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 田中あかねさんのコンサート・シリーズ、“ボンの町から”が開催されました。田中さんの留学先だったボンの町に所縁のある作曲家の作品を中心に演奏していく本シリーズも、今回で7回目となります。ライン川沿いに位置する旧西ドイツの首都ボンは、ベートーヴェンが生まれ、シューマンが没した町。ドイツ芸術音楽の二大巨匠が日々を過ごしたこの地は、音楽家にとって大変魅力的な町であり、田中さんもこの地に特別な思い入れを持っているとおっしゃっていました。

 さて、今回の演奏会のテーマは、「ベートーヴェンとブラームス」。青年期までをボンの地で過ごしたベートーヴェンと、彼の影響を非常に強く受けた19世紀ドイツ・ロマン派の作曲家ブラームスの作品が取り上げられました。前半にベートーヴェン最後のピアノ・ソナタを、後半にブラームス最後のピアノ曲を組み込んだ意欲的なプログラムであったといえます。

 ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタである《第32番op. 111》 は、晩年の1821~22年に作曲された作品です。この曲は、作曲家がかつて何度か試みた2楽章形式で書かれており、両楽章の著しい対照性がその魅力のひとつとなっています。第1楽章ではソナタ形式のなかに対位法的手法を、第2楽章では変奏曲形式を用いており、まさにベートーヴェンの後期の作曲様式が凝縮された作品だといえます。

 また、ブラームスの最後のピアノ作品《4つの小品op.119》は、孤独で寂しげな趣を持ちながらも、どこか温かさ感じさせる名曲です。その第4曲〈ラプソディ 変ホ長調〉は、A-B-C-B-Aのようなアーチ形の形式で書かれているのですが、Aの力強く決然とした部分に対して、その他の部分が見せる不安定な表情や憧憬を抱くような繊細な表情は、当時の作曲家の心境を映し出すかのようでもあります。

 どちらの作品も作曲家の晩年に書かれたものであり、演奏技術はもちろん、精神的な深さが要求される楽曲です。最後に田中さんが、今後もこれらの作品にしっかりと向き合っていきたいと述べられると、会場からは温かい拍手が送られました。

〈Y.T〉

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