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広部ペリー美奈 ピアノリサイタル 開催レポート
2014年
5月16日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 5月16日パウゼにて、国際的にご活躍されているピアニスト広部ペリー美奈さんのリサイタルが開催されました。この日、会場には非常にたくさんのお客様が集まり、広部さんの期待の高さが伺われました。プログラムは、古典派からロマン派近現代まで幅広い時代の作品で構成されておりました。

 前半は、ハイドンとベートーヴェンのソナタです。ハイドンの《ピアノソナタ ニ長調》Hob.XVI:37では、古楽器の奏法を思わせるようなペダリングや細やかなアーティキュレーションを用い、爽やかな演奏を聴かせてくださいました。続く、ベートーヴェンの《ピアノソナタ ハ長調「ワルトシュタイン」》Op.53では、音色やペダリングも大胆になり、豊かな響きが心地よく、先ほどのハイドンの時代よりも新しくなったピアノで作曲されたことが手に取るようにわかるようでした。

 後半は、シューベルト=リスト《水車職人と小川》、《糸を紡ぐグレーとヒェン》、ラフマニノフ《13の前奏曲》Op.32より、〈第5番ト長調〉、〈第12番嬰ト短調〉、ショパン《夜想曲ハ短調》Op.48-1、《幻想ポロネーズ》Op.61を披露してくださいました。シューベルトでは、一台のピアノから出ているとは思えないほどの多彩な音色で恋愛による痛みや複雑な思いなどが伝わるようなドラマティックな演奏を聴かせてくださいました。ラフマニノフでは、プログラムに広部さんの故郷である北海道の釧路湿原の写真がのせられており、その写真を眺めながら、冬の冷たい空気や雪景色などが音楽を通して肌で感じられるようでした。ショパンでは、旋律や和声の美しさ、音響のコントロールが絶妙で、響きが空間に次々と解け合っていくような美しさが印象的でした。

 幅広い時代の作品をそれぞれにふさわしい表現で見事に演奏された広部さんに盛大な拍手が贈られ、アンコールはシューベルト《楽興の時第3番》Op.94-3を演奏してくださり、温かな響きに包まれながら締めくくられました。

盛りだくさんのプログラムと素敵な演奏による大変充実したリサイタルとなりました。

(K.S)

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